カラヴァッジョ展は凄かった

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国立西洋美術館へカラヴァッジョ展を観に行きました。

ルネサンスを超えた男。
ローマを熱狂させたドラマチック。

そんなキャッチコピーのこの展覧会、期待を裏切らない凄さでした。

今回の展示は7章構成でした。

  1. 風俗画:占い、酒場、音楽
  2. 風俗画:五感
  3. 静物
  4. 肖像
  5. 斬首
  6. 聖母と聖人の新たな図像

50数点の作品が展示され、うち、カラヴァッジョ自身の作品は11点。

これを少ないと不満な声もあるようですが、私は、大満足でした。
これ1点でも十分!というくらいに凄い絵も何枚かありました。


この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina

ピアノと音楽、自然とお茶時間をこよなく愛する伊奈葉子です。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら♪


カラヴァジェスキとは?

では、残りの40数点は誰の作品かと言うと、カラヴァジェスキたちの作品です。

カラヴァジェスキとは、カラヴァッジョの画風を模倣し継承した同時代の画家たちの総称です。

1610-20年のローマには、ヨーロッパ各国の若手画家が集まり、カラヴァジズムを成しました。

最初は彼らの絵もなかなかじゃん!と感じましたが、展示を観ているうちに、「あ~、やっぱり違うな~」と思いました。

作者の名前を見なくても、カラヴァッジョ自身か、カラヴァジスキかわかるようになりました。

何が違うか、素直な私の印象では・・・

  • モデルが、シャープで浮き上がるように描かれた独特の筆致。
    絵から読み取れるモデルの表情や性格。
    何より「目」が違う。
    1枚の絵というより、1枚の絵にドラマがある。

よくわからないまま、何となく出掛けたのですが、凄かったです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ並みの天才だと思いました。

 

カラヴァッジョは高貴な魂の人だったと思う

今回の目玉である、「女占い師」、「法悦のマリア」、「エマオの晩餐」ももちろん凄いですが、私が特に感銘を受けたのは、「エッケ・ホモ」です。

「エッケ・ホモ」とは、「この人を見よ」という意味。
無実の罪で捕らえられたキリストをピラトが群衆の前に差し出し「この人を見よ」と言う聖書の有名なシーンを描いたものです。

きっと、キリストは、本当にこんな感じだったのではないか、こうであってほしい・・・という、隠れクリスチャンである私Inaの理想のイメージまさにそのものが描かれていました。

あれは、魂の高貴さなしでは描けない絵です。
カラヴァッジョは、世に言うヤクザが生き方をした人ですが、それも、純粋さゆえではないでしょうか。

これまでにも、キリストを描いた絵は沢山観ましたし、聖書を読了し、隠れクリスチャンとして信仰も持ち合わせていますが、あのキリストは凄いです。

モデルこそが師

展示会場にはカラヴァッジョの信条を表したことばが掲げてありまして、特に印象に残ったのがこれらでした。

カラヴァッジョはモデル以外のいかなる師も認めなかった

カラヴァッジョは、自分以外の画家たちを認めようとはせず、自らを唯一の忠実な自然の模倣者と称していたのである。
ジョヴァンニ・ピエトロ・ベッローリの 『芸術家列伝』より

 

このことばこそが、カラヴァッジョ自身とカラヴァジスキを分けるポイントだと感じます。

つまり・・・

本物を目指すなら、師の下にいて、師を目指していては叶わない。

カラヴァッジョ凄いです。

世界中にある作品を一堂に集めた今回の展示を鑑賞することができたのは本当に幸せなことです。

2016年3月1日(火)-6月12日(日) 
国立西洋美術館

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伊奈葉子 / Yoko Ina
ピアノと音楽、自然とアートとお茶時間をこよなく愛する伊奈葉子です。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら