クラシックの演奏会はなぜ静かに聴かなければならないの?

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クラシックの演奏会が敷居が高いと敬遠される一番の理由は、”音”に対するマナーでしょう。

かばんの中をごそごそするなんてもってのほか!

喉がイガイガして咳が出そうだからと飴を出すのもNG!

プログラムをめくる音さえもためらわれる・・・

それくらいデリケートなのがクラシックの演奏会です。

それは、身じろぎひとつせず、息を殺して座っていろ!

ということではありません。

私の考えでは、

耳を澄まして聴けば、物音が立つはずがないのです。


この記事を書いた人
Ina / 伊奈葉子

ピアノと音楽、自然とお茶時間をこよなく愛するInaこと伊奈葉子です。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら♪


クラシック音楽は静寂と仲良し

クラシック音楽は静寂と仲良しです。

なぜ、クラシック音楽が静寂と仲良しかというと、それはやはり、クラシック音楽がキリスト教から生まれていることと関係していると思います。

つまり、

祈り

であり、

神の声を聴くこと

です。

キリスト教文化は、静寂や沈黙を非常に重んじています。

なぜかというと、ぺちゃくちゃしゃべっていたら、神の声を聴くことができないからです。

キリスト教では、人間はみな神の子なので、父である神の声を聴かなければなりません。

だからお祈りの時間というのがあり、教会の礼拝やミサがあるのです。

日本でも、茶の湯など静寂を重んじる文化はありますよね。

静寂は本来、とても大切なものです。

クラシック音楽の演奏はとてもデリケート

楽器を演奏し、レッスンを受けたことがある方はわかると思いますが・・・

クラシック音楽の演奏というのは、とてもデリケートです。

たとえば、ピアノなら、PCのキーボードを叩く感覚で鍵盤叩いたって”音楽”にはなりません。

音色とか、響きの性質、音の向き、声部のバランスやペダルの効果etc・・・

正直、神経戦みたいなところがあります。

練習は大変ですし、どんなに練習しても本番が上手く行く保証はどこにもないという緊張をはらんでいます。

クラシック音楽を愛する人は、そのデリケートな違いを聴きとることができて、楽しむ人たちなのです。

演奏会が始まる時には、演奏者と共に聴衆も緊張しています。

だから、

多くの音楽家が

「音楽は奇跡」

と語り、

「演奏するのは、音楽の奇跡を分かち合うため」

と語ります。

演奏会場がシンとしているのは、雑音で邪魔されたくないし、そのデリケートな響きで奏でられる音楽という”ミクロコスモス(小宇宙)”を楽しみたいからです。

耳を澄まして聴き入れば、雑音が立つはずがない

クラシック音楽は静寂と仲良しで、クラシック音楽というのはデリケートな表現を楽しむものなので、演奏会場で雑音はタブーなのですが・・・

私の考えでは、

演奏会場では静かにしなければならないのではなく、

耳を澄まして、
音楽を聴き入れば、
雑音が立つはずがないのです。

考えてみてください。
同時にふたつのことをやるって難しいですよね。

たとえば、しゃべると手が止まる人、沢山います。

というか、しゃべりながら作業を続けられるってよほど習熟しているってことですよね。

だから、耳を澄まして演奏を聴いていれば、物音を立てる余裕なんてないはずなのです。

演奏中にカバンの中をごそごそするというのは、そもそも音楽を聴いていないからできることです。

普段から耳を澄まして聴くことを大切にしよう

演奏会場の音の問題でよく話題になるのが、楽章間の”咳”です。

曲の途中で咳が出たらいけないからと思って咳をしておくのか、

それとも、

楽章が終わるまで咳を我慢していたのか・・・

色んな理由があると思いますが、私の意見では、あれも普段静寂に慣れていないからというのがあると思います。

しんと聴く

とか

耳を澄まして聴く

という習慣がないために、演奏会場の緊張に耐えられなくてなんか喉がもぞもぞしてくる・・・というの、あると思いますよ(勝手な想像ですけど)。

普段から、耳を澄まして聴く時間をもっと大切にしたらいいと思います。

それは、CDやYoutubeなどの音源だけでなく、

鳥の鳴き声とか、
風の音とか、
葉擦れの音とか、
雨音とか・・・

そして、何より、人の話にちゃんと耳を傾けることは大切ですよね。

普段から耳を澄まして聴くことが出来ていれば、演奏会場でも同じモードで聴くことができます。

普段、やらないことをいきなりやろうとしても難しいのは、すべてに通じます。

演奏会はどっぷりと音楽に浸れる至福の時間

では、まとめです。

クラシック音楽の演奏会は、
しんと静かに
聴かなければならない

という声に対して私が思うのは、

静かにしなければならないのではなく、
耳を澄まして聴き入っていれば
他のことなんかする余裕はなく、
シン・・・となる

ということです。

演奏会というのは、音楽だけに耳を澄ませばいい至福の時です。

それは、一日の終わりにゆったり湯船に浸かるにも似た幸せな時間です。

だって音楽だけ聴いていればいいのですから。。。

人間の能力は、使えば使うほと上達します。

”聴く”ことも意識的にやるほど、磨かれてきます。

聴くことに上達するほどに、デリケートな表現が楽しめるようになり、音楽はもっと素晴らしいものに感じられます。

いい音楽、聴きましょう。

ということで、有名なショパン『幻想即興曲』です。

たった5分半ですから、手を止めて耳を澄ましてください。

BGMにしている時には、聴こえない世界が聴こえるはずですよ。。。