12月の音楽カレンダー(3)シフ、カザルス、カバレフスキーerc

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クラシックの音楽家たちを紹介する音楽カレンダーです。

一年に一度しか思い出さない音楽家もいるかもしれませんが、誰かが誰かにつながっていて、クラシックの名曲が生まれました。

好きな人の誕生日は忘れないように、
12/21~31ゆかりの音楽家に想いを馳せましょう。

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毎日クラシック~♪Inaの音楽カレンダー
音楽家たちの誕生日や記念日を紹介する音楽カレンダーです。 素晴らしい作品を生み出してくれた作曲家、 感動的な演奏を聴かせてくれる演奏家た...


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伊奈葉子 / Yoko Ina Piano Teacher

心と頭と身体をチューニングすればピアノはもっと自由に弾けます。演奏向上と故障予防に1日15分のウォーミングアップ。悩めるピアノ弾きを笑顔にするレッスンをしています。詳しいプロフィールはこちら


12/21はピアニスト アンドラーシュ・シフの誕生日

12/21はハンガリーのピアニスト アンドラーシュ・シフ(Andras Shiff)の誕生日。

1953年ハンガリー・ブタペスト生まれ。かつて、コチシュ、ラーンキとともにハンガリー三羽がらすとして”売り出され”た当時は、美形だったラーンキやキャラ濃いコチシュの陰に隠れて目立たない存在だったものの、モーツァルトソナタ全集やバッハの演奏によって評価が高まってきました。

シフのバッハの躍動感は、ハンガリー人ならではじゃないかと思います。

イタリア協奏曲をどうぞ。

12/22はベートーヴェン「運命」と「田園」が初演された日

1808年12月22日にベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と第6番「田園」がウイーンで初演されました。

運命と言えば、「ジャジャジャジャ~ン!」と言われますが、この出だしの八分音符が

「ダ・ダ・ダ」と重く、次が「ダ~~~ン」が長すぎるのは私的にはNG。

「(ン)ダダダ|ダ~ン」と頭に休符を感じられて裏拍から出ていることがわかりかつ、「ダ~ン」が第1拍の強拍であることがわからなければ、(芸能人の格付けランキング)「映る価値なし」ならぬ「後を聴く価値なし」です。

このハインリッヒ・シフの演奏はドキドキするほどの好演です。

ベートーヴェンは確かに真面目で重く、性格的にしつこいです。

しかし、ダサくはないはずなのです。

だって、高貴な伯爵夫人たちを次々に手玉にとったプレイボーイだったんですから。

12/23はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が初演された日

1806年12月23日ウイーンでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が初演されました。

初演者であるアン・デア・ウィーン劇場オーケストラのコンサートマスターだったフランツ・クレメントは、ほぼ初見でこの曲を演奏して、大喝采を浴びたとされています。

その後忘れられた存在だったこの曲に再び知られるようになったのは、ヨーゼフ・ヨアヒムの功績です。

数ある名演の中で、Inaイチ押しはセルゲイ・ハチャトリアンの演奏です。

彼の凄さは、指揮者とオケがどんなにひどくても引きずられず、素晴らしい演奏になることです。

実際宇宙人的なんですよね。

脳波がチューニングされるような気持ちよい演奏です。

12/24は『アイーダ』がカイロで初演された日

12/24はジョゼッペ・ヴェルディのオペラ『アイーダ』がカイロで初演された日。

1871年エジプト・カイロのカイロ劇場で初演されました。

第2幕第2場での「凱旋行進曲」は誰でも耳にしたことのある曲ですが、ぜひ一度全曲鑑賞しましょう。

12/25は「きよしこの夜」の原曲「Still Nachat」が初演された日

12/25は「きよしこの夜」の原曲「Still Nacht」が初演された日。

1818年12月25日にオーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会で初演されました。

原題『Still Nacht』は、司祭ヨゼフ・モールの作詞、曲は聖ニコラウス教会聖歌隊の指揮者とオルガン奏者だったフランツ・クサーバー・グルーバーによります。

「きよしこの夜」で知られる日本語訳は牧師で讃美歌作家、パンセの訳で知られる由木 康により、1909年の『讃美歌』第2編に収録されました。

ウィーン少年合唱団の天使の歌声で聴きましょう。

12/26はピアニスト ニキタ・マガロフの命日

12/26はグルジア系サンクトペテルブルク生まれのピアニスト ニキタ・マガロフ(Nikita Magaloff)の命日。

少年時代にはプロコフィエフやラヴェルにも可愛がられたという楽才を持ちながらも、ソリストとしての名声を得たのは40歳を迎える頃という大器晩成の人は、1992年80歳で生涯を閉じました。

ショパン全集の素晴らしい演奏は、「叩くのではなく音をすくい上げる」との彼の言葉が示すように、とても美しく高貴にして慈愛にあふれています。

・・・ポーランド人だったショパンの音楽を美しく演奏するのは、やはり少数派の人たちだな~と思うのです。

温かい部屋でしみじみ聴きたいショパン『舟歌』。
最初は風景映像ですが、25’くらいからマガロフの演奏映像になります。

12/27はピアニスト シューラ・チェルカスキーの命日

12/27はピアニスト シューラ・チェルカスキーの命日。

最晩年まで現役として演奏を続け、1995年86歳の生涯を閉じる前年にユーリ・テミルカーノフ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演したラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」を録音しています。

1995年、亡くなる8か月ほど前の来日公演からショパンとシューマンの幻想曲他、これが86歳ってどういうことなのかと驚くばかりです。

12/28はモーリス・ラヴェルの命日

12/28はモーリス・ラヴェル(Joseph-Maurice Ravel)の命日。

1937年62歳の生涯を閉じました。

ピアノ弾きにも人気のラヴェルですが、「オーケストレーションの天才」「管弦楽の魔術師」とも呼ばれ、一般にオーケストラ作品だと思われているけれど、オリジナルはピアノ作品というものも少なくありません。

その筆頭はムソルグスキー「展覧会の絵」。
原曲はピアノソロだということを知らない人が、弦・管関係者には驚くほど多いです。

また、オーケストラのレパートリーとしてメジャーは「マ・メール・ロワ」「クープランの墓」「古風なメヌエット」などもオリジナルはラヴェル自身のピアノ曲です。

ラヴェルは、フランス印象派の作曲家ということになっていますが、実は古典的な形式の作品が多く、かつジャズや民族音楽の影響も強く受けています。

ドビュッシーとラヴェルは並べて語られることが多いですが、実は対極にあるのですよね。

アルゲリッチのノリノリの演奏でピアノ協奏曲を。。。

12/29はチェリスト パブロ・カザルスの誕生日

12/29はチェリスト・指揮者・作曲家パブロ・カザルス(Pablo Casals)の誕生日。

1876年スペイン・カタルーニャ地方生まれ。11歳でチェロを始め、バルセロナ市立音楽院でチェロ、ピアノ、音楽理論、作曲などを学びました。

チェロの師であるホセ・ガルシアから教えられた当時のチェロ奏法は、両腕ともひじを脇につけるものでした。右手は前腕だけで弓を扱い、左手は指の間隔を広げずにすべらせて音程移動させていましたが、カザルスはその奏法に疑問を抱き、両腕とも脇から離し、自由にする奏法を確立しましたが、それには10年以上の年月を要したと言われます。

現代では当たり前のチェロ奏法は、カザルスによるもの。指揮者フルトヴェングラーは「パブロ・カザルスの音楽を聴いたことのない人は、弦楽器をどうやって鳴らすかを知らない人である」という言葉を遺しています。

14歳の時にバルセロナの楽器店で見つけたバッハの無伴奏チェロ組曲は当時練習曲の扱いを受けていましたが、カザルスは10数年の研究を経て1904年に初めて公開演奏を行い、価値を再確認し、広めたことで現代ではチェリストに欠かせないレパートリーとなっています。

77歳の時の演奏で1番をどうぞ。

12/30はカバレフスキーの誕生日

12/30はロシアの作曲家ドミトリー・カバレフスキー(Dmitri Borisovich Kabalevsky)の誕生日。

1904年ロシア・サンクトペテルブルク生まれ。ソ連の音楽家として大成功したカバレフスキーは作曲家・ピアニストのみならず、子どもの音楽教育への貢献にも大きな功績を遺しました。

子供のための作品も多く、音楽教育についての著作の他、自身も7歳児学級を担当しました。

ピアノソナタ第3番はもっと演奏されてもいいと思う、とても愉快な作品です。

12/31はアーネスト・ジョン・モーランの誕生日

12/31は作曲家アーネスト・ジョン・モーラン(Ernest John Moeran)の誕生日。

1894年イギリス・ロンドン生まれ。幼少よりヴァイオリンとピアノを学び、1913年19歳の歳に英国王立音楽大学(RCM)に入学、チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォードに師事しました。

モーランはイギリス民謡に大きな影響を受けた最後の作曲家の一人として、ヴォーン・ウィリアムズたちと同じく「叙情的作曲家」に属しますが、生きていた当時、時代遅れのスタイルとされ、決定的な成功をおさめることができませんでした。

とは言え、最大の業績のひとつヴァイオリン協奏曲を聴くと、もっと演奏されてもいいと思います。

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