7月の音楽カレンダー(2)チェリビダッケ、クライバーン、五島龍etc

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7月11~20日ゆかりの音楽家たちを、誕生日・命日などに合わせて、ピアノ・弦楽器・管弦楽・・・の優先順位で紹介しています。

あなたの誕生日にゆかりの音楽家は誰でしょう?
記念日にゆかりの音楽家は?

嬉しい時に聴く音楽は喜びをさらに大きくしてくれて、
凹んだ時に聴く音楽は慰めをもたらしてくれます。

音楽のある毎日で心穏やかに、そして豊かにお過ごしください。

Inaの音楽カレンダーは、Inaのほぼ日クラシックTwitterでも毎日ご紹介しています。

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毎日クラシック~♪Inaの音楽カレンダー
音楽家たちの誕生日や記念日を紹介する音楽カレンダーです。 素晴らしい作品を生み出してくれた作曲家、 感動的な演奏を聴かせてくれる...


この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina Piano Teacher

心と頭と身体をチューニングすればピアノはもっと自由に弾けます。演奏向上と故障予防に1日15分のウォーミングアップ。悩めるピアノ弾きを笑顔にするレッスンをしています。詳しいプロフィールはこちら


7/11は指揮者チェリビダッケの誕生日

7月11日は指揮者セルジュ・チェリビダッケ(Sergiu Celibidache)の誕生日。

1912年ルーマニア生まれでドイツで活躍した指揮者・作曲家。
晩年は仏教に改宗し、日本でも参禅したとか・・・

「音楽は『無』であって言葉で語ることはできない。ただ『体験』のみだ」というのが彼の持論。

初めパリに留学、1936年にベルリンに移り、フリードリヒ・ヴィルヘルム大学やベルリン音楽大学で音楽、数学、哲学などを学び、ほとんどいきなりベルリンフィルを指揮することになります。この辺りの経緯はよくわからないようです。

しかし、独裁的なやり方への反発もあってベルリンフィルと距離を置くようになりしばらく客演指揮者として各地を転々としたのち、1979年ミュンヘンフィルに就任。

チェリビダッケはリハーサルの厳しさで知られ、通常1週間のゲネプロも3週間要求したとか。

協奏曲以外は暗譜でスコアなしでセッションをするなど、かなり徹底した人でしたが、その完成度の高い演奏は、熱心な信者を多数生みました。

私も、チャイコフスキーの5番はチェリビダッケが一番好きです。

7/12はピアニスト クライバーンの誕生日

7月12日は、ヴァン・クライバーン(Van Cliburn)の誕生日。

辻井伸行くんが優勝して有名になったヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのその人です。

1943年アメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ、本名はハーヴィー・ラヴァン・クライバーン・ジュニア(Harvey Lavan Cliburn Jr.)。

1958年、23歳の時世界的に権威のある第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したことが、彼の人生を決定しました。

このコンクールは1957年10月のスプートニク1号打ち上げを成功させた旧ソ連が芸術の世界でもソビエトの優越性を誇るために企画されたのですが、アメリカ人であるクライバーンは一次予選から大人気で、ファイナルのチャイコフスキー協奏曲第1番とラフマニノフ協奏曲第3番の演奏後はスタンデイングオベーションが8分間も続き、審査員だったスヴャトスラフ・リヒテルは、クライバーンに満点の25点を、他の者すべてに0点をつけたと言われています。

審査員一同は審査終了後、ニキータ・フルシチョフに、「アメリカ人を優勝させてもよいか」慎重にお伺いを立てました。

フルシチョフ:「彼が一番なのか?」
審査員:「はい」
フルシチョフ:「それならば賞を与えよ」

かくしてソ連史上最大の大誤算でクライバーンの優勝が決まりました。

一夜にして国民的英雄となったクライバーン、帰国時には空港で当時の大統領アイゼンハワー出迎え、ホワイトハウスでは祝賀パーティが開かれ、ニューヨーク5番街で紙吹雪舞う中優勝パレードが盛大に行われました。

凱旋公演の指揮は、コンクール本選で指揮を担当したキリル・コンドラシン。

冷戦の最中にアメリカのピアニストとソ連の指揮者が共演するというの奇跡は、大騒ぎとなりました。

その後のクライバーンのピアニストとしての人生は決して幸せとは言えませんが、一触即発状態だった当時、音楽と彼が果たした役割は計り知れないものがあります。

そのコンクール時の演奏でチャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番です。

7/13はヴァイオリニスト 五島龍の誕生日

7月13日は、ヴァイオリニスト五島龍の誕生日。

姉・五嶋みどりと目がそっくりですよね。

1988年ニューヨーク生まれ、3歳から母・五島節の英才教育を受け、1995年夏、7歳の時に、パシフィック・ミュージック・フェスティバル(札幌)でパガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第1番」で共演し、デビュー。

世界各地での演奏活動の他、JR東日本のCMや2017年3月まで『題名のない音楽会』の司会を務めるなど、広く知られ愛される存在です。

アメリカで生まれ育ったにしては、かなり演歌的な歌いまわしなのが面白いチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲をどうぞ。

7/14はヴァイオリニスト ヴィリー・ヘスの誕生日

7月14日は、ヴァイオリニスト ヴィリー・ヘス(Willy Hess)の誕生日。

1859年ドイツ・マンハイムに生まれたヘスは、ルイ・シュポーアに学んだ父からヴァイオリンのレッスンを開始し、のちにヨーゼフ・ヨアヒムに師事。

1904年から1910年までボストン交響楽団などでコンサートマスターを務め、ハーヴァード大学ではヴァイオリンを教えたのち、1910年にベルリン高等音楽学校のヴァイオリン科主任教授に就任。

マックス・ブルッフと親しかったヘスは、ブルッフの作品の初演を多く行っています。

ヴァイオリンとヴィオラを変わりなく演奏したヘスは、ブルッフの《クラリネットとヴィオラのための二重協奏曲》作品88の初演でヴィオラを弾きました。

クラリネットパートはヴァイオリンで演奏されるケースも多いこの作品、ユーリ・ヴァシュメットのヴィオラとヴィクトール・トレチャコフのヴァイオリンで聴きましょう。

7/15はカール・チェルニーの命日

7月15日は、カール・チェルニー(Carl Czerny)の命日。

ベートーヴェン、クレメンティ、フンメルの弟子で、リストおよびレシェティツキの師であったチェルニーは1857年ウィーンで生涯を閉じました。

日本のピアノ弾きなら100番、110番、30番、40番、50番、60番のどれかの練習曲集でお世話になり苦い思い出のひとつやふたつあることでしょう。

かく言う私もチェルニーと聞くだけで胃の辺りがキュッとなります。

練習曲だけではなく、ソナタやコンチェルトや宗教曲も描いているんですよね。

ということで、4台のピアノのためのカルテットを聴いてみましょう。

7/16はイザイとズッカーマンの誕生日

7/16はウジェーイ・イザイとピンカス・ズッカーマンの誕生日ということでヴァイオリンの日です。

7/16はウジェーヌ・イザイの誕生日

7月16日はウジェーヌ・イザイ(Eugène-Auguste Ysaÿe)の誕生日。

1858年ベルギー・リエージュ生まれ、ヴュータンやヴィエニャフスキなどいわゆる「フランコ・ベルギー派」の教育を受け、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の前身ベンヤミン・ビルゼの楽団でコンサートマスターを務めながらソリストとして演奏活動を行い、ヨアヒム、クララ・シューマン、フランツ・リストやアントン・ルビンシテインなどと親交を結びました。

イザイのために作品を書いた作曲家にはセザール・フランク、カミーユ・サン=サーンス、エルネスト・ショーソンなどがいます。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲第3楽章、あっけにとられるほど鮮やかで香り高い演奏です。

7/16はピンカス・ズッカーマンの誕生日。

7月16日は、ピンカス・ズッカーマン(Pinchas Zukerman)の誕生日。

1948年テル・アヴィヴ生まれ、8歳でテル・アヴィヴ音楽院に入学、12歳の時にイスラエル音楽祭での演奏をアイザック・スターンとパブロ・カザルスに見いだされ、スターンの後見でジュリアード音楽院に留学しガラミアンに師事。

何を弾いても突き抜けた感じの気持ちよい人です。

ヴィエニャフスキ 華麗なるポロネーズ第1番をどうぞ。

7/17はピアニストのカサドシュの誕生日

7月17日は、ピアニスト ジャン・カサドシュ(Jean Casadesus)の誕生日。

1927年パリ生まれ、共に著名な音楽家であった両親ピアノ指導を受けてパリ音楽院に進学、後にアメリカプリンストン大学に留学。

父親ロベールのトッカータを弾いている動画、いかにもフランスという粋な曲と、さすが親子というような手に入った演奏が楽しいです。

7/18は指揮者クルト・マズアの誕生日

7月18日はクルト・マズア(Kurt Masur)の誕生日。

1927年現ポーランド領に生まれライプチヒで学び、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、フランス国立管弦楽団のを歴任、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務めました。

1979年には、読売日本交響楽団の名誉指揮者に就任、来日も数知れない日本ともゆかりの深い指揮者です。

マズアと言えば、メンデルスゾーン。

作品の研究と普及に努め、荒廃していた住居の再建や1991年にフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ基金を設立しています。

ということでメンデルスゾーン 交響曲第4番イタリアです。

7/19はピアニストのケントナーの誕生日

7/19は、ルイス・ケントナー(Louis Philip Kentner)の誕生日。

1905年現チェコ領生まれ、オーストリア=ハンガリーの二重国籍を持ち、ブダペストで専門教育を受け、ゾルターン・コダーイに作曲を師事、交響楽や室内楽を作曲しましたが、ピアニストとしての活動が主です。

バルトークの《ピアノ協奏曲第2番》(1933年)の全曲演奏や、《ピアノ協奏曲第3番》のヨーロッパ初演(1948年)も果たしました。

ポゴレリッチ事件で知られる第10回ショパンコンクールでは、審査員を降板したことでも知られる人です。

ショパンの演奏も聴いてみましたが、リストの方が私は好きだな~ということで、リスト 巡礼の年報第2年「イタリア」をどうぞ。

7/20は指揮者ミヒャエル・ギーレンの誕生日

7月20日は指揮者ミヒャエル・ギーレン(Michael Gielen)の誕生日。

1927年ドレスデン生まれ、マーラーやシェーンベルクや現代音楽を得意とする指揮者ですが、たまたま見つけたこのマーラーの4番。

なんと!A=432Hzでチューニングしてあるということ。標準は440Hz、昨今高めのA=442Hz、時には443Hzということもある中で、あえて432Hzとは並々ならぬこだわりを感じます。

聴いてみると、演奏自体がかなり鋭いので、ピッチの低さは気になりませんね。

・・・ピッチの低さよりもリハーサル風景を想像して背筋が冷たくなるような演奏です・・・

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