Inaの音楽カレンダーでは音楽家たちと作品を、誕生日・命日などに合わせて、ピアノ・弦楽器・管弦楽・・・の優先順位で紹介しています。
あなたの誕生日にゆかりの音楽家は誰でしょう?
記念日にゆかりの音楽家は?
嬉しい時に聴く音楽は喜びをさらに大きくしてくれて、
凹んだ時に聴く音楽は慰めをもたらしてくれます。
音楽のある毎日で心穏やかに、そして豊かにお過ごしください。
Inaの音楽カレンダーは、Inaのほぼ日クラシック、Twitterでも毎日ご紹介しています。
Contents
6/21はヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハの誕生日
6/21は、大バッハことヨハン・セバスチャン・バッハの息子のひとりりヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ(Johann Christoph Friedrich Bach)の誕生日。
1732年大バッハの第9子として生まれた彼は、生きていた当時からマイナーな存在だったようですが、今では大バッハが偉大すぎて、息子たちはみんな同列というのが一般的なところではないでしょうか。
この協奏曲 ホ長調を聴くと、父親の時代バロックから古典派へ足を踏み入れた感じですね。
なかなか趣味のよいスマートな作品。
演奏は、なんとあのシプリアン・カツァリスです。
6/22はテオドル・レシェティツキの誕生日
6/22は、ウィーンで活躍したピアノ教師、作曲家、ピアニスト テオドル・レシェティツキ(Teodor Leszetycki)の誕生日。
1830年、現ポーランド領に生まれたレシェティツキは父親から音楽教育を受け神童として9歳で舞台に立ち、ウイーン音楽院であのカール・ツェルニーにピアノを、音楽理論家ジーモン・ゼヒターに作曲を師事。
18歳にしてすでに、ウイーンで名の知られたピアニスト・ピアノ教師となりました。
1852年サンクトペテルブルクに移住、アントン・ルビンシテインと親交を結び、62年にはルビンシテインの要請で音楽院のピアノ学部長に就任。78年にウィーンに戻り、ここでも多くの弟子を持ち、現在のピアニストに続く系譜を築きました。
数百名いる弟子の中でも特に有名なのは、
ピアノソナタ全集の演奏で有名なアルトゥル・シュナーベル。
ポーランドの首相を務めたイグナツィ・パデレフスキ。
他にもミェチスワフ・ホルショフスキ、エリー・ナイ、イグナツ・フリードマン・・・と言った錚々たるピアニストたちがいます。
1906年2月18日、ヴェルテ・ミニョンの自動ピアノのために、自作7曲を含む12個のピアノロールを録音しました。
その中の1曲、ショパン ノクターン 第8番です。
6/23はミェチスワフ・ホルショフスキの誕生日
6/23はポーランド出身ピアニスト ミェチスワフ・ホルショフスキ( Mieczysław Horszowski)の誕生日。
1892年現在のウクライナ領リヴィウに生まれたホルショフスキは、ショパンの直弟子カール・ミクリに学んだピアニストであった母より手ほどきを受け、4歳の頃すでに神童と呼ばれました。
7歳の時にウィーンに移り住んでベートーヴェンの直系である名教師レシェティツキの指導を受けたので、ホルショフスキは、ショパンとベートーヴェンの直系の曾孫弟子になります。
ホルショフスキの家系はユダヤ系ですが、彼自身は若くしてローマ・カトリック教徒へと転向したため、フランスの批評家André Tubeufはこう述べています。
「ホルショフスキはとてもユダヤ的であり、かつとてもカトリック的だ。どちらの場合もポーランド人以外ではあり得ないような形だ。」
第二次世界大戦中にアメリカに移住し、1942年以降フィラデルフィアのカーティス音楽院リチャード・グード、ピーター・ゼルキンらを指導しました。
チェロのカザルスの伴奏者としても知られ、室内楽の演奏も数多くあります。
99歳まで現役ピアニストとして活躍した彼の97歳のときのライヴ。何とも新鮮な演奏は驚嘆です。
ショパン幻想即興曲、ノクターン、マズルカetcをどうぞ。
6/24はピエール・フルニエの誕生日
6/24はピエール・フルニエ(Pierre Fournier)の誕生日。
1906年パリ生まれ。幼少時に母親にピアノを学ぶも、9歳のとき小児麻痺による障害が右足に残ったためチェロに転向、1923年にパリ音楽院を一等賞で卒業し、翌年パリでデビュー。
ソロのみならず、室内楽の共演が数多くあり、ヨゼフ・シゲティ(ヴァイオリン)、アルトゥール・シュナーベル(ピアノ)との三重奏、カザルス三重奏団からパブロ・カザルスが抜けた後、ジャック・ティボー(ヴァイオリン)、アルフレッド・コルトー(ピアノ)とトリオを組んでいます。
気品のある容貌と格調の高い表現、優雅で洗練された演奏で「チェロの貴公子」と呼ばれました。
この演奏、濃厚なブラームスの作品とバックハウスの重厚なピアノと洗練されたフルニエのコラボが何とも面白いです。
6/25はストラヴィンスキー『火の鳥』が初演された日
6月25日は、ストラヴィンスキーのバレエ『火の鳥』が初演された日。
ディアギレフの依頼によってストラヴィンスキーが作曲したバレエ『火の鳥』は1910パリ・オペラ座で、ガブリエル・ピエルネの指揮によって初演されました。
どんな話かというと・・・
王子イワン・ツァレヴィチが火の鳥を追っているうちに夜になり、カスチェイの魔法の庭に迷いこむ・・・というヘンゼルとグレーテルのような始まりで、火の鳥に出会い命拾いして羽を手に入れます。
次に王子は13人の乙女にあい、そのひとりと恋に落ちるのですがそれはカスチェイの魔法によって囚われた王女という『白鳥の湖』のような展開になり、
最後は、火の鳥が再び現れて、カスチェイの命がある卵を壊してカスチェイは滅び、石にされた人々は元に戻り、王子と王女は結ばれハッピーエンドです。
6/26は伝説のヴァイオリニスト渡辺茂夫氏の誕生日
6/26は、ヴァイオリニスト渡辺茂夫氏の誕生日。
1841年に音楽一家に生まれ、幼少時より神童と騒がれ将来を嘱望され、14歳でジュリアード音楽院に無試験で入学を許されるも、師であるガラミアンと折り合い悪く孤独の日々・・・
16歳で未成年には認められていない睡眠薬を大量に服用、一命はとりとめるも重い脳障害から快復することなく1999年58歳で永眠しました。
悲劇の天才の半生を追ったドキュメンタリー番組を。。。
6/27はスイングバッハのオイゲン・キケロの誕生日
6/27は、ジャズ・ピアノ奏者。オイゲン・キケロ(Eugen Cicero)の誕生日。
クラシックをジャズ化で成功し、特にバッハの作品のジャズ化が有名です。
1940年ルーマニア生まれ。ピアニストであった母親からピアノを習い、10歳の時にはリサイタルを開くほどの天才振りを発揮。
兄の影響でジャズに興味を持ち始め、18歳の時に兄と一緒にジャズグループで活躍を始め、オーストリアに移って活躍を続けているうちに、ヨーロッパのジャズ・レコードで有名なMPSレコードの社長に認められ1965年にクラシックの曲をジャズ化したデビューアルバム「Rokoko Jazz」が生まれました。
バッハ 管弦楽組曲第2番より「バディネリ」のジャズセッション最高です!
6/28はヨーゼフ・ヨアヒムの誕生日
6月28日は、ヴァイオリニスト ヨーゼフ・ヨアヒム( Joseph Joachim)の誕生日。
1831年現オーストリア領に生まれたヨアヒムは、5歳よりヴァイオリンのレッスンを始めウィーン音楽院にも学び、12歳の時にライプツィヒでメンデルスゾーンに師事しました。
ヨアヒムと言えば、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の初演者ですが、他にもドヴォルザーク、シューマン、ブルッフらがヴァイオリン協奏曲を献呈しました。
教育者としても大きな功績を遺したヨアヒムの一番弟子にはアウアーがいて、アウアーの弟子がハイフェッツやミルシテインで、日本人なら江藤俊哉さん、海野義男さん、諏訪根自子さん、前橋汀子、清水高師さんが直系になります。
ヨアヒムに捧げられたブラームスのヴァイオリン協奏曲を孫弟子ミルシテインの演奏でどうぞ。
6/29 指揮者ラファエル・クーベリックの誕生日
6月29日は、20世紀を代表する指揮者のひとり、ラファエル・クーベリック103回目の誕生日。
世界的ヴァイオリニスト、ヤン・クーベリック の長男としてチェコ(ボヘミア)に生まれ、14歳の時、フルトヴェングラーの指揮するチャイコフスキーの交響曲第4番、ブルーノ・ワルターの指揮するマーラーの交響曲第1番に感銘を受け、指揮者を志します。
34歳でイギリスへ亡命。アメリカに渡り、シカゴ交響楽団の指揮者に就任するも、音楽以外のゴタゴタに巻き込まれるなど苦難の時期を経て、1961年にバイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任し全盛時代を迎えます。
その後も波乱の人生を送ったマエストロですが、ともあれ、マーラー 交響曲第5番を聴いてみてください。
胸のすく素晴らしい演奏です。
6/30はラファウ・ブレハッチの誕生日
6月30日は、ラファウ・ブレハッチ(Rafał Blechacz)の誕生日。
1985年生まれのブレハッチは、2003年の第5回浜松国際ピアノコンクールで初めて国際コンクールに参加し、(1位なしの)2位に入賞。この賞金でブレハッチはグランドピアノを手にしました。それまで彼の自宅のピアノはアップライトで浜コンに参加する際にこのことを知ったワルシャワ市が日本出発前の2か月間、彼にグランドピアノを貸与したそうです。
その2年後の2005年ショパンコンクールで母国ポーランドに30年ぶりに優勝をもたらしました。
一次予選から群を抜いた素晴らしさで優勝候補と騒がれ、私も連日PCに張り付いてストリーミング配信を聴きました。
そのショパンコンクール1次予選の演奏で、ショパン「舟歌」作品60です。