3月の音楽カレンダー(1)ショパン、ヴィヴァルディ、ラヴェルetc

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Inaの音楽カレンダーでは音楽家たちと作品を、誕生日・命日などに合わせて、ピアノ・弦楽器・管弦楽・・・の優先順位で紹介しています。

あなたの誕生日にゆかりの音楽家は誰でしょう?
記念日にゆかりの音楽家は?

嬉しい時に聴く音楽は喜びをさらに大きくしてくれて、
凹んだ時に聴く音楽は慰めをもたらしてくれます。

音楽のある毎日で心穏やかに、そして豊かにお過ごしください。

Inaの音楽カレンダーは、Inaのほぼ日クラシックTwitterでも毎日ご紹介しています。

Inaの音楽カレンダー3月


この記事を書いた人
Ina / 伊奈葉子

ピアノと音楽、自然とお茶時間をこよなく愛するInaこと伊奈葉子です。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら♪


3/1はフレデリック・ショパンの誕生日

3月1日はピアノの詩人フレデリック・ショパン(Frederic Chopin)の誕生日。

ショパンは、1830年ポーランド、当時のワルシャワ公国ジェラゾヴァ・ヴォラに生まれました。

実は、ショパンの誕生日にはふたつの説があります。

  • 出生届が出された2月22日
  • ショパン自身と家族主張の3月1日

今となってはどちらが本当なのか確かめようがありませんが、ショパン本人主張の3月1日が一般的です。

誕生日に聴きたいThe Chopin!は・・・一瞬で浮かんだのがこの幻想ポロネーズでした。

祖国ポーランドの宮廷舞曲であるポロネーズは、ショパンが初めて発表した7歳の時から晩年まで描かれました。

”ポーランドの歴史すべてが詰まっている”と言われる幻想ポロネーズはショパンの最高傑作のひとつです。

独特のリズムは民族舞曲であるマズルカとともに人にしか弾けないと言われますが、鑑賞する方から言うと、ポーランド人ならいいというわけでもないとも思ったり・・・

ショパンの誕生日にふさわしい演奏はやっぱりこの人演奏でしょう。

世紀の巨匠ユダヤ系ポーランド人アルトゥール・ルビンシュタイン。

堂々とした演奏に冒頭からぐっと来ます。

3/2は指揮者シモーネ・ヤングの誕生日

3月2日は、オーストラリア・シドニー出身の指揮者シモーネ・マーガレット・ヤング(Simone Margaret Young)の誕生日。

オーストラリア出身ですが、母方はクロアチアの家系です。

シドニーで作曲、指揮、ピアノを専攻、オーストラリア・オペラコレペティートル、指揮者助手を経てシドニー・オペラハウスで指揮者デビュー、1986年に「オーストラリア最優秀新人賞」を受賞した後、オーストラリア芸術評議会奨学生としてドイツへ留学しました。

ケルン歌劇場、ベルリン国立歌劇場で修行し、ウィーン国立歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン国立歌劇場などドイツを中心に活動。

2000年のシドニーオリンピック開会式でシドニー交響楽団を指揮し、オーストラリア国歌「アドヴァンス・オーストラリア・フェア」を演奏しました。

シモーネ・ヤングは、一般に女性は苦手とされるワーグナーやブルックナーを得意とすると人気です。このN響とのウェーバー歌劇『魔弾の射手』序曲を聴くと、まるで、お母さんに諭されているような指揮に、みんな”いい子”になっちゃう感じが微笑ましいです。

3/3はピアニスト ヴェルナー・ハースの誕生日

3月3日はドイツのピアニスト ヴェルナー・ハース(Werner Haas)の誕生日。

1931年シュトゥットガルトの音楽一家に生まれ、7歳で初リサイタル、1946年から1954年までシュトゥットガルト高等音楽院で、リリ・クレベール=アッシュに師事。

1954年にザールブリュッケン音楽院に入学し、ギーゼキングに師事して後継者として将来を嘱望され、卒業後はヨーロッパを中心に活動するも、1976年35歳の時に自動車事故で急逝してしまいました。

20世紀音楽とフランス近代音楽を得意にしていた彼のドビュッシー『喜びの島』。

色彩豊かにして妖艶な世界は、この世のものとは思えない不思議な魅力があります。

3/4はアントニオ・ヴィヴァルディの誕生日

3月4日はイタリアバロックの音楽家アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi)の誕生日。

1678年3月4日にヴェネツィアに生まれたヴィヴァルディはバロック後期の作曲家・ヴァイオリニスト、そしてカトリック教会の司祭でもあります。

ヴィヴァルディといえばあまりにも有名な『四季』。これは、ヴァイオリン協奏曲として描かれた『和声と創意の試み』作品8の第1番から第4番までを「春・夏・秋・冬」と便宜上まとめて呼んでいるだけで、ヴィヴァルディ自身が名付けたわけではないのですね。

バロックらしい躍動感あふれるファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテの演奏で『四季』全曲を聴きましょう。

3/5はセルゲイ・プロコフィエフの命日

3月5日はセルゲイ・プロコフィエフ( Sergei Sergeevich Prokof’ev)の命日。

現ウクライナに生まれ、サンクトペテルブルク音楽院で学んだプロコフィエフは、1918年ロシアに革命の空気が強くなる27歳の時、日本経由でアメリカへ亡命します。日本では東京・横浜・京都・奈良に滞在し、日本の音楽界に少なからず影響を与えました。

ところがわずか4年後の1922年はパリへ移住、そして、1936年45歳にしてロシアに帰郷 、1953年62歳で亡くなりました。

プロコフィエフを語るキーワード、「皮肉」と「風刺」、打楽器的リズムと「抒情性」が、わかりやすく表れているのがピアノ協奏曲第3番。

天才ゆえの複雑な心中と葛藤、そして、育ちの良さからくる貴族的華やかさが魅力です。

誰だったか、プロコフィエフの美は「独特の美であり、スペシャルビューティーなんだ」と語っていました。。。

天才とは強烈な個性・・・

演奏は、3月5日生まれのダニエル・トリフォノフです。

3/6は指揮者キリル・コンドラシンの誕生日

3月6日は指揮者キリル・コンドラシン(Kyrill Kondrashin)の誕生日。

1914年モスクワ生まれ、29歳でボリショイ劇場常任指揮者、46歳~62歳までモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督。

1978年、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のアムステルダム公演を客演中にオランダへ亡命、そのまま同楽団の常任客演指揮者に就任します。

ピアノ弾きにとってのコンドラシンは、やはり1958年第1回チャイコフスキー国際コンクールでの優勝者ヴァン・クライバーンとの演奏でしょう。

コンクール後の入賞者演奏会ライブでチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番です。

3/7はモーリス・ラヴェルの誕生日

3月7日はフランス印象派の作曲家モーリス・ラヴェルの誕生日。

作曲家の多くは、子供や初心者のためにやさしい作品を描きました。

教育目的、後進の指導・・・
みんな子供時代があるし、初心者時代がある。

ところが、ラヴェルの作品はどれも技術的に難しいのです。

なぜか?

ある指揮者に聴いた話ですが、ラヴェルは、モーツァルトやベートーヴェンのピアノソナタのたどたどしい演奏を嘆き、自分の作品はあんな風に弾かれたくないと初心者には弾けないように難しい曲を描いたとか・・・

ラヴェルの音楽には、この話が嘘とは思えない雰囲気がありますね〜。

そもそもソナチネは、ソナタの愛称であり、「可愛らしいソナタ」という意味で、「ソナチネ・アルバム」は可愛らしい作品が並んでいますが、ラヴェルのソナチネはそんなイメージとはほど違い難しく弾きにくい作品です。

特に冒頭、いきなり両手が重なっていて、弾きにくいのなんのって・・・

悪いがあるとしか思えない・・・

演奏は、グレゴリー・ソコロフ。現代最強ピアニストとも言われる巨匠です。

3/8はC.P.E.バッハの誕生日

3月8日は、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ (Carl Philipp Emanuel Bach)の誕生日。

大バッハことヨハン・ゼバスティアン・バッハの次男として1714年にヴァイマルで生まれました。

実は、父親であるJ.S.バッハよりも生きていた時代には有名で成功しましたが、父の指導あってこそ自分の成功があると強く主張した孝行息子です。

音楽的には、父の友人ゲオルク・フィリップ・テレマンの作曲様式に影響を受け、古典派音楽の基礎を築きました。

モーツァルトは、「彼は父であり、われわれは子供だ」と語り、ハイドンやベートーヴェンにも大きな影響を与えました。

ハイドンとベートーヴェンの前身という感じがするソナタ第4番W.55を、マルカンドレ・アムランの演奏でどうぞ。。

3/9はサミュエル・バーバーの誕生日

3月9日はサミュエル・バーバーの誕生日。

1910年ペンシルベニア州ウェストチェスターで、外科医の父とアマチュアピアニストの母の間に生まれました。

フィラデルフィア・カーティス音楽学校で作曲・ピアノ・声楽を専攻、卒業後イタリアに留学。

バーバーは「最後のロマンティスト」と言われるように、この時代に盛んだったモダニズムや実験的試みにいたずらに走ることはありませんでした。

自身、ピアノはかなり上手で公開演奏こそしなかったものの、バッハ平均律クラヴィーア曲集を仕事前の日課にしていたとか・・・

バーバーといえば「弦楽のためのアダージョ」ですが、ピアノ弾きにとっては、やはりピアノソナタでしょう。献呈者ウラディミール・ホロヴィッツ自身の演奏で。。。

3/10はサラサーテの誕生日

3月10日はサラサーテこと、パブロ・マルティン・メリトン・デ・サラサーテ・イ・ナバスクエス(Pablo Martín Melitón de Sarasate y Navascuéz)の誕生日。

1844年スペイン・パンプローナで生まれました。

サラサーテの作品で現在演奏されるのは次の4曲。どれもスペインの民族色濃い作品です。

  • ツィゴイネルワイゼン Op.20
  • アンダルシアのロマンス Op.22-1
  • サパテアード Op.23-2
  • カルメン幻想曲 Op.25

たった4曲でヴァイオリニストになくてはならない存在になっているサラサーテってそれはそれで凄いと思います。

オペラ『カルメン』の有名なメロディー満載の「カルメン幻想曲」を、ギル・シャハムで聴きましょう。

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