音楽がもたらしてくれる感動や慰めは何物にも代えがたいもの・・・
素晴らしい作品や演奏を生み出してくれた音楽家へ
想いを馳せる音楽カレンダー9/1~10です。
音楽カレンダーは、Twitterでもご紹介しています。
Contents
9/1は作曲家 新垣隆さんの誕生日
9月1日は作曲家新垣隆さんの誕生日。
新垣さんが広く世に知られるようになったのは、運命のいたずらとしか言いようがありません。。。
一時期テレビのバラエティー番組にしばしば出演していらっしゃいましたが、なかなかの役者ぶりに新垣氏の”表現力”を見る思いでした。
2016年秋に自身のCD『交響曲《連祷(れんとう)》-Litany-』が発売されました。
「私はあらためてもう一度オーケストラ曲を書かなければならないと思った。私自身の意思として、私自身の名に於いて。」
中学3年の時に作曲したという「ピアノのためのソナタ」をご自身の演奏で。。。
9/2は指揮者 ヴァーツラフ・ノイマンの命日
9月2日はチェコの指揮者ヴァーツラフ・ノイマン(Václav Neumann)の命日。
プラハ音楽院でヴィオラを学ぶかたわら、同時に指揮をヴァーツラフ・ターリヒに学び、在学中から音楽院内の弦楽四重奏団でヴィオラ奏者を務め、この弦楽四重奏団は後のスメタナ弦楽四重奏曲です。
1968年から20年以上にわたってチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、同管弦楽団の国際的な名声を築いたノイマンは1995年に生涯を閉じました。
そのチェコフィルで、ドヴォルザークの交響曲第8番を。。。
9/3はピアニスト モーリツ・ローゼンタールの命日
9/3は、モーリツ・ローゼンタール(Moriz Rosenthal)の命日。
ポーランド出身ユダヤ人ピアニスト。
幼少時の師であるガロートは、かなり奔放な指導で知られる人で、生徒の気の向くままに初見演奏や移調を楽しませていたらしいですが、ローゼンタールにとってはそれがよかったのかもしれません。
10歳の時にショパンの校訂者カール・ミクリに入門、間もなくウィーンに留学、14歳でルーマニア各地で演奏旅行を行ない、16歳であのフランツ・リストに入門。
また、ピアノのみならずウィーン大学哲学科で学び、晩年はアメリカ合衆国で過ごし1946年に生涯を閉じました。
教育にも熱心で弟子にはリスト弾きとして知られるホルヘ・ボレットがいます。
アルトゥール・ルービンシュタインも教えていたとか・・・
ピアノ弾きには、ヨハン・シュトラウス2世のワルツの超絶技巧的編曲で知られています。
美しき青きドナウの華麗な演奏をどうぞ。。。
9/4はピアニスト ヴァディム・ホロデンコの誕生日
9/4はウクライナ出身のピアニスト ヴァディム・ホロデンコ(Vadym Kholodenko)の誕生日。
1986年キエフ生まれ。キエフ音楽院からモスクワ音楽院へ進み、ヴェラ・ゴルノスタエヴァに師事。ソロのみならず、室内楽でのアンサンブルの素晴らしさが際立つピアニストです。
・・・私が彼を初めて聴いたのは2007年エリザベート王妃国際音楽コンクール。
1次予選の配信(映像なし)でJ.S.バッハ平均律クラヴィーア曲集II-21が始まった時には天使が舞い降りたのかと驚きました。
2次予選のモーツァルト ピアノ協奏曲第27番の素晴らしかったこと・・・
その後も、ゆっくり、着実にコンクール修行&キャリアを積み、2010年仙台国際音楽コンクールで優勝、2013年ヴァン・クライバーン国際コンクールで優勝して世界的に知られるようになりました。
個人的には、1980年代生まれのピアニストの中でも群を抜いた大器だと惚れ込んでいます。
ベートーヴェンのバガテルとショパンのエチュードOp.10-2,3,12のゴドフスキーバージョンをどうぞ(ショパン=ゴドフスキーは2’50頃から)
9/5はピアニスト マルカンドレ・アムランの誕生日
9/5はカナダのピアニスト マルカンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin)の誕生日。
1961年カナダ・モントリオール出身。
何でも軽々と弾いていしまうテクニック、膨大なレパートリー、一般に演奏困難とされる作品や演奏機会の少ない作品を取り上げるなど精力的なピアニストです。
カナダにはもうひとりのアムラン、シャルル・リシャール・アムランがいますが、2人に血縁関係はありません。
アムラン作曲の『パガニーニの主題による変奏曲』は彼が得意とするリスト、アルカン、ラフマニノフ、スクリャービンやジャズの手法満載のザ!アムランな作品です。ご本人の演奏でどうぞ。。。
9/6は指揮者エフゲニー・スヴェトラーノフの誕生日
9/6は、ロシアの指揮者、作曲家、ピアニスト エフゲニー・スヴェトラーノフ(Evgeny Svetlanov)の誕生日。
1928年モスクワ生まれ。グリンカ以降の全てのロシア・ソビエト連邦の交響楽を録音するという念願にはわずかに届かなかったものの膨大な録音を遺した指揮者。
ダイナミックで、とてつもないパワーと重量感ある豪快な響きが魅力と言えましょう。
チャイコフスキー交響曲第5番をどうぞ。。。
9/7はピアニスト ジャン=イヴ・ティボーデの誕生日
9/7はピアニスト ジャン=イヴ・ティボーデ(Jean-Yves Thibaudet)の誕生日。
1961年フランス・リヨン出身。ワイン好き、独特のセンスでファッション界からも注目されたりと話題の多い人です。
演奏会ではジャンニ・ヴェルサーチを好んで着ていたそうですが、現在はヴィヴィアン・ウエストウッドがデザインしたコスチュームが提供されているとか・・・
見てわかる人います?
レパートリーは、フランスゆかりの作曲家だけでなく、ドイツロマン派やロシアなど幅広いようですが、このサン-サーンス ピアノ協奏曲第5番が粋です。
9/8はアントニン・ドヴォルザークの誕生日
9/8はチェコの作曲家アントニン・ドヴォルザーク(Antonín Leopold Dvořák )の誕生日。
1841年北ボヘミア生まれ。ブラームスに見いだされ『スラヴ舞曲集』で一躍人気作曲家となりました。
この2人、何となく風貌が似ているような気がします。
作品に感じる奥深い優しさも共感し合ったのではないでしょうか。
後にアメリカに渡り、ネイティブ・アメリカンの音楽や黒人霊歌を自分の音楽に取り入れたことで音楽史上独自のポジションにいます。
ドヴォルザークといえば交響曲第9番「新世界」、ドボコンことチェロ協奏曲が有名ですが、弦楽セレナーデ、ピアノトリオ『ドゥムキー』も素晴らしいですが、ピアノ五重奏曲第2番をどうぞ。。。
リヒテルのピアノとボロディン弦楽四重奏団です。
9/9はピアニスト ピエール=ローラン・エマールの誕生日
9/9は、フランスリヨン出身のピアニストピエール=ローラン・エマール(Pierre-Laurent Aimard)の誕生日。
1957年フランス・リヨン生まれ。
1973年16歳の時にメシアン国際コンクールに優勝、弱冠19歳でピエール・ブーレーズからアンサンブル・アンテルコンタンポランのソロ・ピアニストに指名され、1980年代半ばから、親しかったジョルジ・リゲティの全作品の録音に加わるとともに、練習曲数曲を献呈されたりと、現代音楽の世界での活躍が目立ちますが、フランス印象派はもちろん、バッハやベートーヴェンも得意。
美しく上品なベートーヴェン『熱情』をどうぞ。
9/10は指揮者 ハンス・スワロフスキーの命日
9月10日は、ハンガリー出身ユダヤ人指揮者ハンス・スワロフスキー(Hans Swarowsky)の命日。
1899年9月16日にブダペストで生まれたスワロフスキーは、1975年9月10日 ザルツブルクで生涯を閉じました。
11歳でマーラーの交響曲第8番初演に合唱団員として参加、ウィーン大学で心理学と歴史を学び、プライベートレッスンで音楽家として研鑽を積んだスワロフスキーは、ベルリン国立歌劇場でエーリヒ・クライバーのアシスタント、1チューリッヒ歌劇場の首席指揮者、ザルツブルク音楽祭のアドヴァイザー、ウィーン交響楽団の首席指揮者などを務めました。
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ国立歌劇場管弦楽団メンバーとのワーグナー『ニーベルングの指環』や『ローエングリン』は今なお高い評価と人気を得ています。
ウィーン国立音楽大学指揮科の教授として教育でも優れた功績を遺しました。彼の弟子にはクラウディオ・アバド、マリス・ヤンソンス、ズービン・メータ、日本人では、尾高忠明や湯浅卓雄、矢崎彦太郎、大町陽一郎たちがいます。
リストのハンガリー狂詩曲第2番のオーケストラバージョン、凄い響きに圧倒されます。
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