素晴らしい作品や演奏を生み出してくれた音楽家へ
想いを馳せる音楽カレンダー9/11~20です。
音楽カレンダーは、Twitterでもご紹介しています。
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9/11はフランソワ・クープランの命日
9月11日はフランスバロックの作曲家フランソワ・クープラン(François Couperin)の命日。1733年パリで生涯を閉じました。
クープラン家からは音楽家が沢山生まれましたが、一番有名なのがこのフランソワなので、大クープランと呼ばれます。
17歳で教会オルガニストに就任、25歳でヴェルサイユ宮殿礼拝堂のオルガニストとなり、ルイ14世のために御前演奏を行ないました。
クラヴサンの曲が230曲以上ありますが、舞曲中心だった当時にあって、自然描写的で優雅な音楽が主なのが特徴です。
クラヴサン曲集より「ティク・トク・ショク、またはオリーブしぼり機」をどうぞ。。。
9/12はヴァイオリニスト・指揮者スピヴァコフの誕生日
9月12日はロシアのヴァイオリニスト、指揮者ウラディーミル・テオドロヴィチ・スピヴァコフ(Vladimir Teodorovich Spivakovの誕生日。
早くから神童として活躍し、13歳のときにモスクワの指揮者コンクールで優勝。
1979年35歳の時にシカゴ交響楽団と協演して西側デビューを果たし、同年にモスクワ・ヴィルトゥオージを設立、この活動によって広く知られるようになりました。
現在はロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督ならびに首席指揮者。
1980年36歳頃のリサイタルが見つかりました。
あ~、ロシアのヴァイオリンだな~と思います。
00:00 – イザイ ヴァイオリンソナタ第6番
09:03 – フランク ヴァイオリンソナタ
38:15 – バルトーク 6つのルーマニア民族舞曲より
41:26 – ガーシュイン-ハイフェッツ ポーギーとベスより「必ずしもそうじゃないぜ」
46:06 – ドビュッシー ワルツ
9/13はクララ・シューマンと辻井伸行くんとアレッサンドロ・タヴェルナの誕生日
9/13は3人のピアニスト~クララ・シューマンとアレッサンドロ・タヴェルナと辻井伸行くんの誕生日です。
9/13はクララ・シューマンの誕生日
9月13日はクララ・シューマン(Clara Josephine Wieck-Schumann)の誕生日。
1819年ドイツ・ライプチヒ生まれ。名ピアノ教師だった父フリードリヒ・ヴィークは彼女がヴィルトーゾになることを確信して5歳から英才教育を開始、天才少女として広く知られるようになります。
ロベルト・シューマンとの出会いは彼がヴィーク家で下宿しながらレッスンを受けるようになった1828年クララが9歳の時。その後クララ16歳の時25歳のロベルトがエルネスティーネとの婚約を解消、二人は急接近しますが、ヴィークは猛反対。結局裁判の末、クララの21歳の誕生日の前日1840年9月12日に二人は結婚しました。
7人の子供に恵まれ家事・育児は多忙を極め、かつ気難しいロベルトの作曲活動の邪魔をしないように気遣い練習時間の確保に悩みながら自身の演奏活動、やがてロベルトが病み、亡くなってしまった37歳からはシングルマザーとして一家を背負います。
ヴィークはクララに作曲の勉強にも励むように教育しますが、女性だというだけで認められない時代、37歳で作曲をやめてしまいましたが、それまでに描かれた作品はピアノソロ、ピアノ協奏曲や室内楽などがあります。
ロベルト・シューマンの作品と言われても不思議じゃない作品が多いような気がします。3つのロマンスOp.21をどうぞ。。。
9/13はピアニスト アレッサンドロ・タヴェルナの誕生日
9月13日はイタリアのピアニスト アレッサンドロ・タヴェルナ(Alessandro Taverna)の誕生日。
1983年、イタリア・ヴェネツィア(に近い街の)出身。
2006年浜松国際ピアノコンクールに出場し、一部熱狂的なファンを獲得するも、ファイナルに出場することができず、ネット上ではかなり騒ぎになりました。
その後も世界各地のコンクールに出続けましたが、なぜか報われず・・・
メジャーなコンクールでの優勝歴がないままコンクール修行を終えました。
しかし、ストリーミング配信のおかげで熱心なファンが増え続け、ウイーン楽友協会や、ロンドン ウイグモアホールを始めとして舞台でロリン・マゼール、 リッカルド・シャイーなど一流指揮者との共演も数多く、着々とキャリアを積んでいます。
レパートリーに特徴があって、あまり演奏される機会のない作品が合っているようです。
これはリスト オベールの過激 「ポルティチの唖女」のタランテラによるブラーヴラ風タランテラ S.386です。
愉快な曲なので、ぜひお聴きください。
9/13はピアニスト 辻井伸行くんの誕生日
9月13日は、ピアニスト辻井伸行くんの誕生日。
1988年東京生まれ。小学生の頃からニュースステーションなどメディアで紹介されていたので、アラフォー以上には成長を見守ってきた格別の想いの方も少なくないと思います。
2009年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝してから10年が過ぎますが、国内外での活躍は素晴らしい限りです。
2012年にゲルギエフ&マリンスキー歌劇場管弦楽団との共演でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番をどうぞ。
9/14は指揮者 バウムガルトナーの誕生日。
9月14日は指揮者・ヴァイオリニスト ルドルフ・バウムガルトナー(Rudolf Baumgartner)の誕生日。
1917年、チューリッヒ生まれ。
初めはヴァイオリンをチューリヒ音楽院、ウィーンで学び、パリではカール・フレッシュに師事。ソリストとしての活動とゲイヤー四重奏団など室内楽の活動もしていました。
1950年、33歳の年にルツェルン音楽院の教授に就任。1956年、シュナイダーハンとともにルツェルン音楽祭弦楽合奏団を組織して指揮者に就任、1968年から1980年までルツェルン音楽祭の音楽監督を務めました。
ルツェルン音楽祭弦楽合奏団を指揮してのヘンデル「水上の音楽」をどうぞ。。。
9/15はソプラノ歌手 ジェシー・ノーマンの誕生日
9/15は、ソプラノ歌手ジェシー・ノーマン(Jessye Norman)の誕生日。
1945年アメリカ合衆国ジョージア州出身。母親はピアノ愛好者、父親は地元の教会で聖歌隊員をつとめ、音楽を身近に育ちました。
1969年にミュンヘンARD国際音楽コンクールの覇者となり、ベルリン国立歌劇場にてリヒャルト・ワーグナーの《タンホイザー》のエリザベート役でオペラ歌手デビュー。
これを機にドイツやイタリアのさまざまな歌劇場に出演を重ねたたのち、1973年に帰国、リンカーン・センターでのアメリカ公式なデビューを果たしました。
1992年のバルセロナオリンピック、1996年アトランタオリンピックの開会式でも歌っているのでご存知の方も多いでしょう。
とっても迫力ある「アメイジング・グレース」です。
9/16は偉大なる音楽家ナディア・ブーランジェの誕生日
9月16日は、フランスの作曲家・指揮者・ピアニスト・教育者(大学教授)・・・要するに偉大なる音楽家ナディア・ブーランジェ(Nadia Boulanger)の誕生日。
1887年に代々音楽家の家に生まれ、幼少期より専門教育を受けたサラブレッド。
夭折した妹も音楽家で、その才能に劣等感を感じていたようです。
自己批判の強い人だったようで作品は数少ないですが、指導者として大きな功績を遺しました。
門下は錚々たる顔ぶれで、たとえば・・・
スカルラッティの「カークパトリック番号」で知られるラルフ・カークパトリック
指揮者では、ジョン・エリオット・ガーディナー、イーゴリ・マルケヴィチ、ダニエル・バレンボイム・・・
ヴァイオリンのヘンリク・シェリング、レジス・パスキエ・・・
ピアニストのディヌ・リパッティ・・・
日本人では、宅孝二、矢代秋雄などが薫陶を受けました。
彼女の作品で、ピアノと管弦楽のための幻想曲(狂詩曲?)です。
う~ん・・・複雑な内面が伺い知れる作品ですね。。。
9/17は指揮者マンフレート・ホーネックの誕生日
9/17は、オーストリアの指揮者マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck)の誕生日。
1958年オーストリア生まれ。はじめヴァイオリンを学び、のちにヴィオラ奏者としてウィーン国立歌劇場管弦楽団ならびにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団へ、その後指揮者に転向。
実は、実弟ライナー・ホーネックがウイーンフィルのコンサートマスターを務めており、マンフレートの転向の陰にはその弟の影響があるのかもしれませんね。。。
2008年からピッツバーグ交響楽団音楽監督を務めています。
マーラーの交響曲集が秀逸とのことで、ベルリンでのライブ演奏をどうぞ。
9/18は齋藤秀雄の命日
9/18はサイトウ・キネン・オーケストラやサイトウ・キネン・フェスティバル松本で知られる日本のチェロ奏者、指揮者、音楽教育者齋藤秀雄の命日。
1974年に東京で生涯を閉じました。
16歳からチェロをはじめ、暁星中学校から上智大学に入学するも、音楽に専念するため退学。ドイツ・ライプツィヒ音楽学校へ留学。
1927年に帰国しNHK交響楽団の前身である新交響楽団に首席チェロ奏者として入団。翌1928年の第30回定期では指揮者としてデビューしました。
戦後、ピアニストの井口基成、吉田秀和らと「子供のための音楽教室」を創設、現在の桐朋学園・音楽学部につながり、山本直純、小澤征爾ら多くの音楽家を輩出しました。
指揮法教程は、指揮の運動をメソッド化したものでバーンスタインからも賞賛されました。
尋常ならざる激しい人だった様子を山本直純氏や小澤征爾氏が語っていましたね。。。
ヴィヴァルディ『四季』より「秋」が見つかりました。
1964年の演奏ですから東京オリンピックの年ですね。
なんというか、時代を感じます。。。
9/19は指揮者 クルト・ザンデリングの誕生日
9/19は、ドイツ出身の指揮者クルト・ザンデリング(Kurt Sanderling)の誕生日。
1912年東プロイセンのアリス(現在のポーランド)生まれ。
幼い頃から音楽に興味をしめし、ギムナジウムに通いながら学ぶ。20歳頃にベルリン市立歌劇場のコレペティートルとして音楽家としてのキャリアをスタート。
ナチス時代、母親がユダヤ人であったことでドイツ国籍を剥奪され、おじが在住していたソビエト連邦に亡命、モスクワ放送交響楽団、レニングラート・フィルハーモニー交響楽団に就任、エフゲニー・ムラヴィンスキーの下でさらに研鑚を積み、ドミートリイ・ショスタコーヴィチと親交を持ちました。
1960年に東ドイツ政府に請われて帰国し、ベルリン交響楽団の芸術監督、首席指揮者に就任、のちにシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者も兼務。
1965年にザルツブルク音楽祭にデビューし、西側にもその名を知られるようになりました。
来日も多く、読売日本交響楽団を客演指揮し、後に名誉指揮者になっています。
息子2人は指揮者で、1人はチェリストです。
チェリストである息子ミヒャエルとの共演でドボコンことドヴォルザーク チェロ協奏曲をどうぞ。。。
9/20はピアニスト ウィリアム・カペルの誕生日
9/20はアメリカ合衆国出身のピアニスト ウィリアム・カペル(William Kapell)の誕生日。
1922年ニューヨークでロシア系ユダヤ人の家系に生まれ、フィラデルフィア音楽院及びジュリアード音楽院で学。
オーストラリアでの演奏旅行から帰国の際に飛行機事故で31歳の短い生涯を閉じました。
確かピアニストの清水和音さんがとても高く評価している記事を相当前にピアノの月刊誌「ショパン」で読んだことがあります。
硬質で力強いタッチと思いきりの良さ、安定した技巧で気持ちよい演奏だと、私は感じました。
リスト「メフィスト・ワルツ」をどうぞ。。。
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