はじめてのクラシックコンサートはピアノ協奏曲を聴こう

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音楽はやはりライブが一番!

普段クラシック音楽をBGMにPC触っている

とか、

クラシックが流れているカフェで過ごすのが好き

という方が実際にコンサートホールで聴こう!

という時に、問題になるのが、

どの演奏会のチケットを買って聴きに行くか

ということです。

Youtubeでタダで聴くのとは違い、実際に演奏会に行くとなると出費が伴います。

しかも、クラシックコンサートのチケットはあまりお安くありません。

果たして出費に見合うだけの感動を得られるのか?

そう考え始めると、なかなかハードルが高いのはよ~くわかります。

クラシック情報誌などを見ると、膨大な演奏会があります。首都圏なんか、毎日色んな演奏会があって、もうどれに行ったらいいのかわからない、選べないから行けない・・・

という気持ちよ~くわかります。

そんなあなたのコンサートデビューに私Inaがイチ押しするのが、

ピアノ協奏曲です。


この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina

ピアノと音楽、自然とお茶時間をこよなく愛する伊奈葉子です。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら♪


なぜピアノ協奏曲がいいの?

特に好きな曲があるとか、
好きなアーティストがいるとか、
ヴァイオリンが好きとか、
フルートが好きとか・・・

お目当てがあって、演奏会に行くというのはもちろん素晴らしいことです。

でも、そこまで好きな曲があるわけでも、誰か演奏家を知っているわけでもないし・・・という方、少なくないでしょう。

そんなあなたのコンサートデビューにおすすめなのは、ピアノ協奏曲です。

それは、私がピアノが好きだからという個人的趣味と関係しながらも、それを超えて、おすすめする確かな理由があります。

なぜ、ピアノリサイタルではなくピアノ協奏曲なの?

ピアノは、戦後の高度成長期にピアノメーカーがマーケティング戦略を頑張ったおかげで、とてもポピュラーで人気な楽器になりました。

子供の頃にピアノを習った経験のある方、ホントに多いです。

そういう方々は、演奏会を聴きに行くというと、ピアノリサイタルを聴きに行くという根拠のない思い込みにとらわれていたりしますが・・・

実は、コンサート初心者がピアノリサイタルを最後まで聴き続けるのは、結構大変なんですよ。

なぜなら、ピアノは独りで演奏して完結する楽器なので、表現がデリケートです。

デリケートなので、演奏会場はとてもシーンとしています。
いや、時にピリピリしていると言ってもいいほどです。

プログラムをめくる音とか、鞄の中をごそごそするとか、タブー!

ある人は、モーツァルトが演奏されている時に、シンとした空気に息が出来なくて苦しかった・・・と言っていました。

その緊張感がまたいいのですが、しかしはじめてのコンサートで息ができないほどの緊張はハードルが高いというもの。

そこで、ピアノ協奏曲をおすすめするのです。

ピアノ協奏曲は、オーケストラと一緒に演奏しますから、音量もピアノリサイタルよりずっと増します。

ピアノもオーケストラもフォルテで鳴っている時には、シンとした静寂から解放され、かなりリラックスできます。

なぜヴァイオリン協奏曲ではなく、ピアノ協奏曲なの?

協奏曲は、色んな楽器のために描かれています。

ピアノ協奏曲だけでなく、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、フルート協奏曲、オーボエ協奏曲、トランペット協奏曲・・・楽器の種類だけ協奏曲があります。

その中でなぜピアノ協奏曲をすすめるのかというと、

ピアノ協奏曲には、他の楽器の協奏曲にないドラマがあるからです。

ピアノは、独りで完結する楽器です。

他の楽器はヴァイオリンでもチェロでもフルートでもオーボエでも・・・アンサンブル(2人以上の合奏)が原則です。

だから、たとえば、ヴァイオリンリサイタルと言えば、ヴァイオリンとピアノの演奏会です。

この違いがピアノ協奏曲と他の楽器の協奏曲の違いになります。

つまり、ひとりオーケストラのようなピアノと実際のオーケストラが一緒に演奏することで、対立構図が生まれ、ドラマが生まれるのです。

他の楽器の協奏曲の場合、なんだかんだ言ってもオーケストラは伴奏的役割になります。
でも、ピアノ協奏曲は、完全に渡り合う構成です。

ピアノとオーケストラの対立構図は、あたかも小国と大国の駆け引きのようなドラマを生み、それこそがピアノ協奏曲の醍醐味なのです。

実際、本当に凄いコンチェルトの演奏は、ピアニストが指揮者もオーケストラも支配し、従えているかのようになります。

そのカッコよさこそ、ピアノという楽器の魅力であり、可能性の素晴らしさです。

そして、それを実現するピアニスの神々しいほどの輝きに震えます。

はじめてのクラシックコンサートにおすすめピアノ協奏曲3選

というわけでコンサートデビューには、ピアノ協奏曲をおすすめするわけですが、ピアノ協奏曲も沢山あります。

そんな中から、はじめてのコンサートにあえて3曲選んでみました。

のだめで人気、日本人大好きのラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

ラフマニノフって日本人のメンタリティに受けるらしいんですよね。

のだめこと「のだめカンタービレ」で人気になったラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、いいと思います。

何と言ってもやはりベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番『皇帝』

ピアノとオーケストラの対立構図=ドラマという点で素晴らしいのはやはりベートーヴェンです。

ベートーヴェンは、若い頃から交響曲に並々ならぬ意欲があり、初期のピアノソナタはそのための習作(練習)と言われます。

オーケストラも素晴らしいし、ピアノも華やかですし、優れた精神性といい、聴き終わった後の感動は細胞が生まれ変わるほどでしょう。

理屈抜きでエキサイトできるチャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

いきなり金管のファンファーレが鳴り、すぐにピアノが重厚な和音を奏でる、ここまでわかりやすい始まりを恥ずかしげもなくやってしまうチャイコフスキー、人気の秘密ですね。

実は、理論的に分析すると突っ込みどころ満載なのですが、なぜか聴き入ってしまい、感動してしまうのがチャイコフスキーです。

チャイコフスキー自身、情の深い人だったので、その辺りが心に訴えかけるのかもしれません。

この3曲を聴いてみて、お好きな曲を選べば、はじめてのコンサートは大満足になること間違いなしです。

・・・なお、この3曲は私自身の好みとは別、一般的にコンサートデビュー向けの選曲ですので、あしからず。

一流ではなく”超一流”のピアニストで聴こう

おすすめの曲がわかったら、次の問題はどの演奏で聴くかです。

たとえば、東京なら毎日たくさんの演奏会が開催されます。

どのオケで聴く?
指揮は誰?
ピアニストは?

そんな疑問にずばりお答えします。

超一流の「何だかわからないけれど凄い」こそ醍醐味

絶対に言えることは、

とにかく超一流で聴きましょう

ということです。

”一流”ではなく、”超一流”とあえて言います。

本物の威力は理屈ではありません。

何だかわからないけれど凄い!その空気に触れることが大切なのです。

クラシックがつまらないと思っている人の大半は、本当にいい演奏を聴いたことがない人たちと言っても過言ではありません。

プロのオケとひと口に言っても、レベルは様々なのです、現実は・・・

だから、言います。

超一流で聴きましょう。

優先順位はピアニスト>>>・・・指揮者>オケ

ピアノ協奏曲は、ピアニストと指揮者とオーケストラによって演奏されます。

3者すべてが超一流であれば、もちろん最高なのですが、現実には3つ揃いは少なく、あってもチケット代がもれなく高額になります。

はじめてのコンサートで、いきなり1万円のハードルは高すぎるでしょう。

そこで優先順位をつけるなら、

ピアニスト>>>・・・指揮者>オケ

です。

凄いピアニストって、本当にミラクルを起こします。

三流指揮者と三流オケを1.5流くらいに引き上げます。

今までに、何度もそういう奇跡に遭遇しました。

たとえば、2015年8月、ミロスラフ・クルティシェフのチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番とか

東響プレミアムコンサート・コンチェルトの競演@所沢ミューズ
日々、過ごす中でいろいろ不満も矛盾も感じながらも、ふつー、みんなこう思ってます。 自分ひとりでは何もできない、変わらない・・・ ...

今年2018年GWラ・フォル・ジュルネでのエル=バシャのプロコフィエフ ピアノ協奏曲第番とか・・・

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018|音楽の力とエル=バシャの凄さ
GW恒例となったクラシック音楽イベントラ・フォル・ジュルネ。 今年2018年は例年の有楽町国際フォーラムに加えて、池袋の東京芸術劇場で...

だから、まずピアニストを選びましょう。
超一流のピアニストのピアノ協奏曲を聴きましょう。

あまり大きな声では言えませんが、指揮者とオケが超一流でピアニストが若手だったりすると、時に悲惨な場合があります。

ピアニストがオケに食われてしまったり、煽られたり、もたついて足引っ張られたり・・・

本来、音楽を大事にすることが使命であるはずのプロの音楽家にあってはならないことですが、そこは指揮者もオケのメンバーも罪深く愚かな人間・・・

このピアニスト、大したことないな・・・と思われたら最後、後ろで弾かされるのたまんないよ~、やってられないよ~、早く飲みに行きた~い、という気持ちが正直にあらわれたりするのですよ。

そういう修羅場をくぐり抜けて若いピアニストは成長するのですよね。。。

予習すれば楽しさ100倍!

さて、せっかくチケットを買って聴くなら存分に楽しんでこそ、コストパフォーマンスも上がるというもの。

コンサートを100倍楽しむために絶対にしておきたいのが予習です。

Youtubeで音源探して聴いておくことをおすすめします。

できれば、3つくらい違う演奏を聴いておくと同じ曲でも色んな演奏があることがわかり、本番の演奏をより楽しめるでしょう。

もし余裕があれば、作品の背景を知っておくとより楽しめます。

たとえば、「チャイコフスキー ピアノ協奏曲」で検索すると色んな情報が出てきます。いわゆる曲目解説みたいなものも少し知っておくのも悪くありません。

ただし、知らないからと言って音楽を楽しめないということではありません。

最も大切なことは、音楽を聴いて、何を感じるか、ということです。

音楽を聴いている時の感情の動きを素直に自分で認めればいいのです。

それが、他の人と違うなら、それこそがあなたの個性です。

ベートーヴェンもチャイコフスキーもラフマニノフも・・・みんな、なかなか理解されず苦しみながらも自分の信じるところに従って作品を描き続けたのですから・・・