プロになる条件|題名プロ塾・後編

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クラシックの人気TV番組『題名のない音楽会』の特別企画「題名プロ塾」は、

本気でプロを目指す!プロとして生き抜く

ノウハウを葉加瀬太郎氏が5人の塾生に伝授し、1人がデビューできるというものです。

4/18放送の前編で選ばれた3人のレッスンとデビューできる1人の発表が4/25放送の後編です。

とても興味深く、考えること多かったです。

前編はこちら。

音楽で食べていくためにポップスを弾く?!|題名プロ塾前編
クラシック長寿番組としてギネスブックにも載っている『題名のない音楽会』・・・ 楽しみにしている方多いですよね、もれなく私もです。 4/1...

 

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この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina

音楽と自然と読書とお茶時間をこよなく愛するピアノ弾き。
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ポップスはリズム!あらためてリズム!

クラシックだけでなく、ポップスも演奏できるヴァイオリニストになる。
ポップスを上手く弾けないと食えない!

そのためのノウハウを伝授する「題名プロ塾」。後編では葉加瀬太郎氏と実際に共演している豪華バンド・メンバーと「情熱大陸」を共演しました。

課題は以下のふたつです。

  • 課題① メロディ演奏
     審査ポイント:一定のテンポ。アンサンブル能力。
  • 課題② アドリブ演奏
     審査ポイント:オリジナリティ「どれだけ自己アピールできるか」

まずは、葉加瀬太郎氏によるお手本演奏。

前編で「ビート!リズム!」と強調された通り、パンチが効いていてエッジの立った演奏は聴く人の心に突き刺さり、深く印象を残すものでした。

この曲が人気なわけです。

3人の塾生の演奏とコメントを紹介します。

休符では留めを作って細かいリズムを立たせる

最初に登場した塾生は 「仕事と音楽活動を両立させるユニークなヴァイオリニストになりたい」と語る武田さん。

”音の表現はかなりよくなっている”と2週間の成果を評価された上で、バンド・メンバーから「やっぱりリズムが難しい」とのコメント。。。

葉加瀬氏曰く

休符では「留め」を作って細かいリズムを立たせること。

アドバイスの後ではぐっとよくなり「やっぱりリズムがシャキッとしないと・・・」とリズムの大切さを教養されました。

アドリブは、”メロディを活かして華やかなところをつくった”との事、女性らしいエレガンスな雰囲気が印象的でした。

ヴァイオリンは瞬発的な音を出すのが難しい楽器

林さんは、「様々なジャンルで活躍できるヴァイオリニスト目指して活動中」。前編を聴いて、デビューできるのはこの方かな?と思いましたが、この日もインパクトある演奏が始まったのですが、驚かされたのはアドリブです。

楽器を置いたと思ったら、風船をふくらませて風船で演奏!しかも2種類!!!

葉加瀬氏も開いた口が塞がらないと言った表情。

バンド・メンバーの1人である東京交響楽団オーボエ奏者最上峰行氏曰く

パフォーマンスとしては面白いけれど、オーディションの場で逃げたと思う。

アドリブは賛否両論でしたが、発音の仕方はポピュラー的でとてもよかった。つまり、瞬発的に音を出すということがよく出来ている(本来、ヴァイオリンはそういう発音が難しい楽器)。

そして、オーケストラを背負って演奏できていると実力は高評価でした。

プロになる条件・エンターテインメント性

最後に登場した出垣さんは「夢はヴァイオリンを中心とした総合エンターテインメントショーを作ること」

前回、身体が動くのはいいとしてもそれによって弓と弦の関係が安定しないのは問題と指摘され、動き方を改良。弓と弦の関係は鏡を見て特訓したとの事。

動きを控えるのではなく、弾き方を改良することでさらに踊りはエキサイトしていました。

ニコニコと踊るように楽しい演奏に、「プロになる条件が初めからある」、「エンターテインメント性が高く、バンドを惹きつける個性がある」とバンド・メンバーも好印象でした。

努力なんて当たり前、やはり才能、ただし・・・

最終選考の結果、デビューは予想通り、林周雅さんでした。

理由は、

ポップス的な発音の仕方、エッジがきいていて(ポップスの)リズムがちゃんと出せる。

アドリブは賛否あるけれど、それ以前のところがちゃんと出来ている。

との事でした。

武田さんへのアドバイスは

自分をもっとアピール!多少いびつになっても自分を出していく

出垣さんへは、

歌手で言うとシンガーソングライタータイプ。アンサンブルの中で弾くよりも自分の表現にフォーカスしてやっていくといい。

との事でした。

努力で何でも手に入ると思わない方がいい

2週にわたるこの企画を通じて思ったのは、

努力なんて当たり前、努力すれば何でも手に入ると思わない方がいい。
自分の才能・適性をしっかり見極めて、自分を活かす努力をすべき!

ということです。

5人の塾生さんは、音楽が好き!ヴァイオリンが好き!練習熱心という点では優劣などありません。

前編での選考は、ポップスへの適性
後編での選考は、葉加瀬太郎氏&バンド・メンバーと共演できるか

だったと感じます。

才能とは明晰な頭脳と感性

そこでは、やはり”才能”というものが一番大事だと思いました。

それは、一般に思われているほど漠然としたものではなく、ポップスへの適性とか、演奏する場で求められるキャラクターを演じられるかといった適性と言った方がいいかもしれません。

とかく上手い・下手が問題にされ、単に指がまわる、音程がどうのということにフォーカスしがちですけれど、それは枝葉末節だとあらためて思いました。

選ばれた林さんは、前編・後編を通じて基礎が最もしっかりしることを感じましたが、その基礎というのは、

  • 演奏しようとしているその音楽は何を表現しているのか明確であること
  • 自分は聴衆に何を聴かせたいのか明確にすること
  • その音楽の演奏のために楽器を自在に操り、可能性を最大限に引き出すこと

です。

これらは、明晰な頭脳と繊細にして豊かな感性(単に聴覚だけでなく)が導く練習で実現されるもので、ただ単に何時間練習すれば身に付くものではありません。それをわかるのも頭と感性=音楽的才能と言えるでしょう。

 

それから、共演メンバーや聴衆とどういう関係を築くのか、それも才能かもしれません。自分が弾くことだけに必死にならないのは、もちろんですが、自分が”上手く”弾くことで満足しないということは心しておかなければなりません。

 

もうひとつ、よく言われることですが、聴く人を惹きつけるオーラというのも天性かもしれません。。。

「音楽で食べていく」とひと言で言っても、自分の才能や適性をよ~く知って活かす方に努力しないと、どんなに努力しても報われないので難しいことですが熟考したいです。。。

ステージに立つ覚悟は演奏に表れる

才能と分けられるかどうか微妙ですが・・・

もうひとつ感じたことは、”覚悟”でした。

5人の塾生は「音楽で食べていきたい・・・」という想いを口にしていましたが、それが

「音楽で食べていきたい・・・」
「聴衆を感動させられたらいいな~」
「デビューできたらいいな~」

レベルの人は、やはり演奏もそういうノリに聞こえます。もっとはっきり言えば、お気楽な感じ。。。

そうではなく、

「俺の演奏で聴く人のハートをわしづかみにしてやる!心動かしてやる!そのためには何でもやる!」という覚悟が演奏の迫力や説得力になってくるのを痛切に感じました。

葉加瀬太郎氏は、やっぱりそれが凄いと思いますし、聴く人の心を動かすのだと思います。

 

・・・正直、本気で音楽で食べて行きたいなら、「葉加瀬太郎氏に認められれば・・・」的考えでこういう場に出てくるより、「葉加瀬太郎がなんぼのもんやねん!」と我が道行く演奏する才能と覚悟が必要じゃないかと思います。

 

林さんは、「このチャンスを活かして進化していきたい」と語っていましたが今日の偉人の言葉は、

チャンスなんてめったに来ない。
だから巡ってきたら、とにかく自分のものにすること。
オードリー・ヘップバーン

でした。。。

 

前編はこちら。

音楽で食べていくためにポップスを弾く?!|題名プロ塾前編
クラシック長寿番組としてギネスブックにも載っている『題名のない音楽会』・・・ 楽しみにしている方多いですよね、もれなく私もです。 4/1...
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