やりたいことと仕事にしていることのギャップ。
すなわち、理想と現実のギャップ。
この悩み、時に自分自身が真っ二つに引き裂かれ人格崩壊するのではないかと感じるほど、本人には深刻です。
モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、リスト・・・
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ゴッホ、岡本太郎・・・
天才たちもみんな理想と現実のギャップに悩みました。
この記事では、やりたいことを実現したいという理想と現実のギャップをどうしようかということを考えていきます。
Contents
理想と現実の矛盾は永遠にある
冒頭から身もふたもないですが・・・
理想と現実の矛盾は永遠になくなりません。
そんなこと人に言われなくても、頭ではわかっていますよね。
人の話だったら、「そんなもんだよ・・・」と言えるかもしれません。
けれど、
あなた自身のことでも、理想と現実は違うと割り切れますか?
難しいですよね。
だから悩むのです。
頭の中の理想は限りなく美しい
理想は理想。頭の中でなら、なんでも自由に描けます。
人間は無意識のうちに自分の都合のよいように考える生きものです。自分に都合のよいことだけを、都合のいいように描くことができます。
そして、音楽や芸術が好きな人は、とりわけ想像力豊かです。
美しい理想を描くことに秀でていて、だから美しくユニークなものを生み出すことができるのです。
あなたが描いているイメージは、誰よりもユニークで美しく豊かなのです。
自分には自覚がないだけですよ。。。
美しすぎるヴィジョンは現実との境界を曖昧にする
とてもリアルに理想を描くことができるからこそ、素晴らしいヴィジョンが次々にアイディアを誘って、さらに美しく豊かに広がり、無限の世界を飛翔します。
そうやってイマジネーションが広がると、脳はあまりのリアルさに、描いている夢と現実との境界がわからなくことがあります。
私はどこにいるんだっけ・・・
そんな感覚になること、ありませんか?
私はよくあっちへ逝ってしまいます。
どこまでが現実で、どこまでが自分が描いているイメージなのか、よくわからなくなることがあります。
夢を描いている時はとても幸せなので、あっちへ逝ったまま帰ってきたくなくなることさえあります。心ここにあらずで夢想の世界を楽しんでいることもあります。
だから変人って言われるのですけれど・・・
芸術を愛する人は理想と現実のギャップが大きい
頭の中で描くイメージがどんなに美しとも・・・
現実は厳しいです。
描いた夢が美しいほど現実との落差に激しく幻滅し、時には絶望感にさいなまれます。
音楽や芸術を愛する人は、その落差が”一般平均”よりも大きいと心得ておきましょう。
そういう自覚がほんの少しあるだけでも、苦しい時にズルズルと深みにはまらないためのストッパーになります。
理想と現実の葛藤こそ進歩への原動力
さて、理想と現実のギャップは、実は決して悪いものではありません。
目の前の現実が理想通りにならない時、何とかならないものか、なんとかしたい・・・と考えるでしょう。
だから、進歩するのです。
美しいヴィジョンには、人を突き動かすパワーがあります。
私は音楽が好きなので、素晴らしい演奏を聴くと、心から「今、生きていてよかった・・・」と思います。
「もう、何もいらない・・・」と思うこともあります。
実際は数時間もしたら「ケーキ食べたい!紅茶飲みたい!」って思うのですけれどね。
本当に素晴らしいモノに接した時の感動には物凄い力があります。
明日も色んなことがあるだろうけれど、この感動を胸に乗り越えていける!という境地に達するほど凄いものです。
思い通りにならない時、辛い時、苦しい時・・・、
美しいものに接することで生き返ります。
これこそ、芸術の素晴らしさです。
芸術に感動する心は、そのまま現実を乗り越える力を得ることができます。
芸術があまりに素晴らしいから、現実との矛盾やギャップを感じるのです。
それは、素晴らしいものが素晴らしいとわかるということ。
芸術がもたらしてくれる感動は進歩の原動力です。
やりたいことと現実のギャップを具体的にどうしようか
さて、夢を脳内夢想で終わらせず、また、机上の空論で終わらないために、どうしたらよいか考えましょう。
まず、やりたいことと現実のギャップはどのように生じているのかというところが大切です。
やりたいことができない理由を書き出す
どうして、今、やりたいことができていないのでしょう?
時間がない、
お金がない、
家族が反対する・・・
などなど、そこにはさまざまな事情があるでしょう。
そのもやもやを全部書き出しましょう。
やりたいことは何ですか?
それはいつ出会ったのですか?
いつ、どうやって始めましたか?
今、どうしていますか?
どうして、できていないのですか(仕事にしていないのか)?
今の仕事はどうやって得たもので、どういう状況にあり、やりたいこととのギャップは、どうして生まれていて、何が苦しくて・・・
ということを、全て書き出します。
自分の甘えや言い訳や臆病をチェックする
全て書き出したら、次に入念にチェックします。
大切なのは、甘え、言い訳、臆病、見栄などがないか?
ただ臆病なだけ、ということがよくあります。
自分が、理想を追い求める勇気がないために、その状態を生み出しているのだとしたら、一切の甘え、言い訳、臆病、見栄など捨てて、新しい世界に飛び込み、理想に向かって走ればいいだけです。
とってもシンプルです。
成功している人は、例外なくそうしていますし、私もそうしています。
発想を変える
もしも、入念にチェックした結果、甘えも言い訳も臆病も見栄も・・・なかったとします。
次に考えるのは、
発想の転換です。
物事は見方ひとつ、考え方ひとつで、劇的に違う姿を見せます。
時には、たったひと言でガラっと変わることもあります。
なぜなら・・・
盲点になっている部分気づくことである。
別の視点から見ることで、可能性が広がる。
逆の見方をすることで、実は幸運に気づく・・・
発想を変えるのはとても重要なことです。
これは、自分ひとりではなかなかできないかもしれません。
コンサルティング、コーチング、カウンセリングなどが存在するのはそのためですね。。。
人生にはじっと耐えなければならない時もある
さて、入念にチェックした結果、自分は臆病ではないし、甘えてもいない。
発想の転換をしてみるも、現状ではどうにも動きがとれない・・・
とにかく、四方八方行き詰っていて、収入も必要だから今の仕事にとどまらざるを得ないし、今の状況ではやりたいことをやる余裕がなくて、大きなジレンマを抱えている・・・
という方もいらっしゃるでしょう。
現実問題、
人生には、ただひたすらじっと耐えなければならない時もあります。
たとえば、夏の猛暑や冬の寒い日・・・
暑さ・熱中症対策、防寒対策をしたら、あとは何とか適応するしかないですよね。
そういう時も、長い人生にはあるのです。
耐えなければならない時、内側が成熟する
外に向けて活動できないような時こそ、実は大切な充電期間です。
こういう時に、しっかり充電できれば、状況が変わった時に一気に花開きます。
冬の木枯らしの中で立つ桜の樹を思い出してください。じっとしている間にも内側では春を迎えて花開く準備がされています。ただ外からは見えないだけです(実際には、葉が全て落ちる頃にはごく小さな芽が出て、少しずつ大きくなっていきます)
外へ向けて活動できない状況の時に、いかに耐えたか、過ごしたか。
それが機が熟した時に力となって表れます。
人生には絶対に負けられない闘いもある
最後は、「闘え!」という話です。
色んな人が色んなことを考えて共に生きているのですから、摩擦や対立は当然生じます。
自分の聖域は、自ら全力で守らなければならないこともあります。
闘うべき時に引いてしまったら、結局、自分の世界は浸食されてしまうのです。
一時の対立を避けるために、自分にとって本当に大切なものをないがしろにするということは、大切なものを大切にしていないということです。
すなわち、理想をゆずり、現実に屈したということ。それではギャップを延々と抱えることになり、どんどん大きく苦しくなります。
苦しいと感じるうちはまだましです。妥協を続けていると「苦しさ」を感じる感覚がマヒしてきます。
自分が本当はどうしたいのか、
何者だったのかさえわからなくなります。
すると、だんだん、何もかもがうまく行かなくなります。
そこで、ハタと何とかしなければと考えるわけですが・・・
マヒした感覚をリハビリして、再び、自分を活かすのは大変です。
勇気ある者に世界は優しい
自分にとって、本当に大切なものは何か。
今一度よ~く考えてみましょう。
人には、それぞれに大切なものがあります。
その大切なものを育むことで人生は意味と価値を持ち、それぞれが育むものを人々と分かち合うことで幸せな社会が成り立ちます。
勇気ある者に世界は優しいです。。。
まとめ
理想と現実の矛盾は常にあります。
矛盾がなくなることはありません。
これが現実です。
やりたいことと現実のギャップの詳細を書き出しましょう。
書き出すことで状況を把握し、分析する。
甘えや言い訳や臆病や見栄は捨てる。
発想を転換する。
人生には耐えなければならない時もあります。
大切なもののために闘わなければならない時もあります。
勇気ある人に世界は優しいです。。。