『ロンドンデリー・エア』と『ダニー・ボーイ』の関係

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

ヴァイオリニスト クライスラーの人気作品に『ロンドンデリー・エア』という作品があります。

 

アイルランド民謡を編曲したものですが、ピアノ伴奏がちょっとジャズっぽい和音でなかなか弾きがいがあり、私はとても好きな作品です。

・・・で、この『ロンドンデリー・エア』と『ダニー・ボーイ』の関係をよく知らなかったのですが、Eテレで放映された「らららクラシック」を観て納得しました。

 

そもそも、原曲はロンドンデリーの街角で盲目のヴァイオリン弾きが演奏していたのを民謡収集家のジェイン・ロスという人が採譜し、アイルランド民謡集として1855年に出版されたらしいです。

その後、アイルランドの作曲家スタンフォード(1858〜1924)が、自身のアイルランド狂詩曲第1番にこのメロディーをこれでもか〜と取り入れ、民謡のクラシック界デビューとなりました。

 

アイルランドは1900年頃飢饉に見舞われ、 200万人が国外移住を余儀なくされ、特にアメリカへの移民が多く、故郷を偲ぶ歌としてこのメロディーが愛されたとのこと。

ダニー・ボーイの歌詞は1913年にウェザリーが書いたもので、要するに後付け。

1914年、第一次世界大戦勃発、『ダニー・ボーイ』はその美しいメロディーとともに歌詞は、戦場に自分の子供、家族を送る気持ちに響き、爆発的な人気となったらしいです。

パールマンとサンダースの演奏。

 

ここで、私的に重要なのは、『ロンドンデリー・エア』を演奏するのに、『ダニー・ボーイ』の歌詞の意味を考慮する必要はあるのか、ないのかということです。

 

これが、シューベルト『アヴェ・マリア』なら、
歌詞の意味を知らないで弾くなんて絶対なし!

だけれど、『ダニー・ボーイ』の歌詞は後からつけられた歌詞なのだから、『ロンドンデリー・エア』を演奏する時には、むしろ、『ダニー・ボーイ』の歌詞に縛られずに自由な発想で弾きたいとは思うものの、第一次世界大戦で前線に赴き、負傷したクライスラーのことを考えるとやはり、『ダニー・ボーイ』の歌詞は無視できないか、悩ましいところ。。。

最後のフラジオレットで演奏されるところなんかは、歌詞の意味とリンクしているような気もしますね。。。

 

なお、アイルランド本国ではあまり演奏されないらしいです。

アメリカで勝手に流行っていた・・・という冷めた見方をされているようですよ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Follow me!

この記事を書いた人

この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina Piano Teacher

自分の手で演奏できるのが何よりの喜びです。フォーカル・ジストニア他で2度の挫折を経て音楽とピアノはさらにかけがえのない素晴らしい存在になりました。ピアノ・音楽、自然とアートとお茶時間をこよなく愛しています。詳しいプロフィールはこちら