ピアノ弾きの演奏向上と故障予防にウォーミングアップのすすめ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

毎日のピアノの練習を何から始めていますか?

いきなりインテンポでショパンやリスト、ラフマニノフやスクリャービンやプロコフィエフのエチュードを弾き始めるという無茶をしていませんか?

指ならしと称してハノンやスケールを速いテンポでfやffでダダダ!とかき鳴らしていませんか?

それは、無茶です。
今日からピアノの練習はウォーミングアップから始めましょう。

考えてみてください。

陸上選手がウォーミングアップなしで、いきなり全力疾走しますか?

バレエダンサーがストレッチもバーレッスンもしないで、いきなりトゥシューズを履いて「黒鳥の32回転」しますか?、

スポーツ選手やダンサーは絶対にはあり得ないことです。

なぜなら、彼らはそんな無茶をしたら怪我をしたり、故障の原因になったり、とても無謀で危険で選手生命を脅かすことだと知っているからです。

スポーツ競技のアスリートでも、アクロバティックな踊りをするダンサーも、毎日の練習は念入りなウォーミングアップで始めます。

イチロー選手の凄い練習メニューが有名なように、一流選手やダンサーほど、念入りに丁寧にウォーミングアップをします。

ピアノの演奏も、鍵盤上で激しく指を動かすという点では、アスリートやダンサーと同じです。

練習はウォーミングアップから始めましょう。

ところでウォーミングアップって何?
わざわざ時間をかけるだけの効果はあるの?という疑問に答えます。


この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina Piano Teacher

心と頭と身体をチューニングすればピアノはもっと自由に弾けます。演奏向上と故障予防に1日15分のウォーミングアップ。悩めるピアノ弾きを笑顔にするレッスンをしています。詳しいプロフィールはこちら


ウォーミングアップは身体を温め、心拍数を上げて運動準備をすること

ウォーミングアップとは、文字通り

warm:体温を上げて身体を温める
up:心拍数を上げ、血流量を増やす

ことです。

身体を温め、血流量を増やすことで、運動を行うために身体を準備し、運動能力を発揮する状態にして、怪我を予防するのがウォーミングアップです。

手が冷たいと指が動かなくて思うように弾けないですよね。身体が温まれば手も温かくなり弾きやすくなることを経験していると思います。

身体が温かいことはとても重要なのです。

日常生活モードから演奏モードに心身をチェンジして、練習効果を高めるためにもウォーミングアップはとても重要です。

ウォーミングアップの効果

1分1秒でも沢山練習したいから、ウォーミングアップなんて時間がもったいない!
そんなもどかしいことはやっていられない・・・

と思うかもしれませんが、

急がば回れ!

です。

ウォーミングアップに時間を確保することは、短期的にも長期的にも結局いい演奏をするために最も効果的です。

ウォーミングアップの効果を説明しましょう。

演奏・練習モードにスイッチをOn!

ピアノの演奏はとても繊細な指の動きが要求されます。
PCのキーボードを叩くのとは違います。

ピアノを弾くことは、実は、全身運動です。

ウォーミングアップによって身体を温めることで筋や腱が柔らかくなると関節可動域が大きくなります。手が冷たい状態よりも温かい方が楽に指が動くのはそのためです。

ウォーミングアップで身体の状態をよくすることは、練習効果を上げることでもあります。

ウォーミングアップは、練習・演奏モードにスイッチOn!にすることなのです。

ウォーミングアップしましょう!

故障の予防

ウォーミングアップで身体のコンディションを上げることは、練習や演奏による故障の予防になります。

音楽家の手の専門医である酒井直隆医師は著書の中でこう語っていらっしゃいます。

演奏家の手の痛みの大部分が筋肉にかかわる炎症なのですから、筋肉をどうケアすればいいか、という問題になってきます。「工夫」の中には筋肉のストレッチ、筋力の増強、筋肉のリラクゼーションなど、さまざまのものが考えられますが、その多くはわざわざ病院に出向かなくても、家庭で楽器を手にした状態で、できるはずです。

酒井直隆『解決!演奏家の手の悩み~ピアノの症例を中心に』p.83より引用

練習前のウォーミングアップは、まさにこの筋肉のストレッチです。

上達のためには練習が不可欠ですし、演奏会やコンクール・試験に臨む際にはどうしても長時間ピアノに向かうことになります。

しかし、練習によって故障して本番で最大限のパフォーマンスを発揮することができなければ、結局、その練習は何なのか?ということになりますよね。

本番の成功のためにも、故障や不調は絶対に避けなければなりません。

そのために欠かせないのがウォーミングアップです。

ピアノ弾きは身体運動の面から見れば、鍵盤上のアスリートです。
アスリートがウォーミングアップをどんなに大事にしているか、イチローたち一流選手を見ればわかるでしょう。

いい演奏をしたいならウォーミングアップです。

ウォーミングアップしましょう!

本番前こそ普段のウォーミングアップが功を奏する

普段から決まったウォーミングアップをしていれば、それが本番のパフォーマンスを高めるための最強の《儀式》になります。

いわゆる”ルーティン”。

普段から自分のウォーミングアップメニューを持っていれば、緊張する場面でそのウォーミングアップを行うことで ”平常心”へと持っていくことができます。

本番というのはいつものと違うシチュエーションです。その中でいつものウォーミングアップで行うことにより、不安や緊張を鎮め、演奏モードへ自分を整えることができます。

本番前にストレッチをするのがいいとよく言われますが、普段やっていないことを急にやるよりも、いつものウォーミングアップメニューがいいに決まっています。

ウォーミングアップしましょう!

まとめ

ピアノ弾きは、身体運動という点では「鍵盤上のアスリート」です。

イチロー選手の素晴らしい活躍が、人一倍の練習メニューに支えられているように、一流スポーツ選手はウォーミングアップから念入りに日々の練習を始めます。

芸術家であるダンサーも、ウォーミングアップを大切にしています。

ウォーミングアップは、身体を温め、心拍数や血流量を増やして運動モードに準備することです。

ピアノの練習による故障を防ぐためにも、
練習効果を上げるためにも、
パフォーマンスを上げるためにも、
本番を成功させるためにも・・・

日々の練習はウォーミングアップから始めましょう!

⇒ 1日30分ウォーミングアップ&基礎練習|ピアノ弾きの演奏向上・故障予防・本番対策

⇒ レッスンのご案内はこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Follow me!

この記事を書いた人

この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina Piano Teacher

心と頭と身体をチューニングすればピアノはもっと自由に弾けます。演奏向上と故障予防に1日15分のウォーミングアップ。悩めるピアノ弾きを笑顔にするレッスンをしています。詳しいプロフィールはこちら