1日30分ウォーミングアップ&基礎練習|ピアノ弾きの演奏向上・故障予防・本番対策

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練習こそが演奏を創り、本番を決めます。

練習しなければならないことはみんな知っています。

何より大切なのは、練習の質です。

一流スポーツ選手やクラシックバレエの一流ダンサーたちの練習メニューは、必ずウォーミングアップから始まります。

イチロー選手の素晴らしい活躍の秘密が、凄い練習メニューにあることはしばしば紹介されます。

ピアノ弾きは、身体運動の側面から見れば、鍵盤上に激しく指を走らせるアスリートです。

演奏向上と故障予防にウォーミングアップをしましょう。

バレエダンサーがストレッチやバーレッスンを行い、スポーツ選手がウォーミングアップやトレーニングを行うのは、よいプレイをするためには、プレイ以前にやらなければならないことが沢山あることを知っているからです。

ピアノ弾きが、次のレッスンや演奏会・試験・コンクールで弾く曲だけを一生懸命練習するのは、バレエダンサーが次の公演で踊る役の振付だけを練習するのと同じです。

これからご紹介する1日15分のウォーミングアップは、美しい演奏を聴衆と共有したいピアノ弾きの願いを叶えるための時間です。

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この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina Piano Teacher

心と頭と身体をチューニングすればピアノはもっと自由に弾けます。演奏向上と故障予防に1日15分のウォーミングアップ。悩めるピアノ弾きを笑顔にするレッスンをしています。詳しいプロフィールはこちら


ピアノ弾きのウォーミングアップ・ボディワーク

いきなりピアノに向かって鍵盤に指を走らせる前に、ピアノを弾く”姿勢”、つまり心身の状態を整えましょう。

つまり、ウォーミングアップです。

レッスンでマスターしていただく5つのボディワークは10分ほどで優れた効果をもたらします。特別な着替えも準備も必要なく、いつでもどこでもできるので日々の練習の効果アップはもちろん、本番前のルーティンとしてぜひ習得してください。

  1. 種が発芽するムーブメント
     重心を下げる、上半身をゆるめる、センタリング。
  2. 波のムーブメント
     上半身のしなやかさをもたらす。
  3. 風のムーブメント
     肩周りと腕のストレッチ。
  4. 白鳥のムーブメント
     ”背中から動く指”への準備
  5. ゆりかごのムーブメント
     ”座る”フォームを確認

心と頭と身体をチューニングする|ピアノ弾きのウォーミングアップ

波とか風とか、何?

と思っているかもしれませんね。。。

演奏は、ただ指を動かすだけではなく、表現することが目的です。

風を感じないで、どうして風を表現できるでしょう。
波のようなアルペジョは多くの曲に出てきますが、「波」とは何でしょう。

イメージを身体で感じる=頭で考えること、心で感じること、身体で感じることがつながることで表現できるテクニックにつながっていきます。

心と頭と身体をチューニングしてこそ、ピアノはもっと自由に思い通りに弾くことができるのです。

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⇒ 5つのボディワークはこちらから順にどうぞ

⇒ ピアノ弾きの演奏向上と故障予防にウォーミングアップのすすめ

ピアノ弾きのウォーミングアップ・指のストレッチ

手が小さい、指が硬い、動かないとお悩みの方はもちろん、ピアノを弾く前に指のストレッチは必須です。

スポーツ選手もダンサーも、ストレッチしないで練習を始める人はいません。

ピアノ弾きも鍵盤上で激しく指を動かす前に必ずストレッチをしましょう。

  1. 伸筋と屈筋のストレッチ
  2. 指のストレッチ(1)
  3. 指のストレッチ(2)

5分のストレッチは、毎日続けると指がしなやかになり、小さな手でも楽に広がるようになります。

指の柔軟性がもたらされることで、故障予防や疲れの軽減にもつながります。

ストレッチは正しいやり方が行わなければ百害あって一利なし!です。

自己流は禁物!

気になる方は、どうぞレッスンにお越しください。

⇒指のストレッチはこちらでご紹介しています

発声練習をしない歌手はいない、ピアノ弾きも基礎練習をしよう

声楽家の発声練習、
弦楽器奏者のボーイング練習、
管楽器奏者のロングトーン、

同じように、ピアノ弾きも基礎練習を大切にしましょう。

15分のウォーミングアップと15分の基礎練習=30分です。

4時間練習するなら30分をウォーミングアップ&基礎練習にしましょう。

基礎練習というと、ハノンやスケール・アルペジョと思われる方が少なくありませんが、それ以前にピアノという楽器で音楽を奏でるために大切な「発音練習」から始めましょう。

わずかな時間でも毎日続けることで、タッチが格段によくなります。

基礎練習メニューは生徒さんの状況に合わせてカスタマイズしますが、基本は以下の通りです。

  1. ピアノと仲良くなるムーブメント
  2. 5指練習
  3. スケール&アルペッジョ
  4. オクターブ
  5. 3度の半音階

基礎が大切なのは、それが底力になるからです。

どんなに感情的な表現であっても、揺るがないテクニックのために基礎練習は絶対におろそかにしてはいけません。

⇒ 悩めるピアノ弾きのためのレッスンへ

ピアノ弾きのウォーミングアップ・基礎練習が影響を受けたもの

ピアノ弾きのウォーミングアップ・基礎練習をはじめ、私のレッスンが影響を受けている主なものをご紹介します。

影響を受けたレッスン

ウォーミングアップと指のストレッチの基礎となっているレッスンです。

  • ピアノのためのフィンガートレーニング
     藤本雅美氏に1987~1989年に師事。
  • アレクサンダーテクニーク
     2002年に小野ひとみ氏のアンドーヴァーエデュケーターズ受講、以後3年余りアレクサンダーテクニークの個人レッスンを受講。
  • クラシックバレエ
     2005年よりクラシックバレエのレッスンを週1回以上受講。
  • ルミエールストレッチ
     2011~2013年に後藤早知子氏に師事。

影響を受けた本

現在のレッスンや私の演奏に影響を与えてくれた本たちの中から、特におすすめしたいものをご紹介します。

ピアノを弾くとはどういうことか

ピアノを弾くとはどういうことか、教えてくれた本たちです。

  • ジャン=ジャック・エーゲルディンゲル著、米谷治郎・中島弘二訳『弟子から見たショパン そのピアノ教育法と演奏美学』音楽之友社、2005年。
  • ゲンリッヒ・ネイガウス著、森松皓子訳『ピアノ演奏芸術 ある教育者の手記』音楽之友社、2003年。
  • ジョルジ・シャンドール著、岡田暁生監訳『シャンドールピアノ教本 身体・音・表現』春秋社、2005年。
  • セイモア・バーンスタイン著、佐藤覚+大津陽子訳『音楽による自己発見 心で弾くピアノ』1999年。
  • ウィリアム・ウェストニ―著、西田美緒子訳『ミスタッチを恐れるな』ヤマハミュージックメディア、2015年。
  • ジャン・ファシナ著、江原郊子・栗原詩子訳『若いピアニストへの手紙』音楽之友社、2004年。
  • 金子一朗『挑戦するピアニスト 独学の流儀』春秋社、2009年。
  • 古屋晋一『ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム』春秋社、2012年。

フィンガートレーニング

私のレッスンのウォーミングアップ・指のストレッチや必要に応じて行うフィンガートレーニングの基礎になっている本です。

  • 藤本雅美『ピアノのためのフィンガートレーニング』ムジカノーヴァ社、1986年。
    1987~1989年に著者藤本雅美氏に直接師事。

心身メソッド

アレクサンダー・テクニークなど心身メソッドとピアノ演奏について教えてくれた本たち。

  • 小野ひとみ『アレクサンダー・テクニーク やりたいことを実現できる〈自分〉になる10のレッスン』春秋社、2007年。
  • ペドロ・デ・アルカンタラ著、小野ひとみ監訳『音楽家のためのアレクサンダー・テクニーク入門』春秋社、2009年。
  • バーバラ・コナブル著、小野ひとみ+片桐ユズル訳『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』誠信書房、2000年。
  • トーマス・マーク他著、小野ひとみ監訳『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』春秋社、2006年。
  • マーク・リース他著、かさみ康子訳『フェルデンクライスの脳と体のエクササイズ』晩成書房、2005年。
  • 野口晴哉『整体入門』ちくま文庫、2002。

アレクサンダー・テクニークは小野ひとみ氏に2002~2004年に師事。
野口整体は1999~2000年に学ぶ。

医学から見たピアノを弾く〈手〉

手はどうなっているのか、ピアノを弾くとは身体運動としてどういうメカニズムになっているのか、故障はなぜ起こるのかなど、医学的なことを教えてくれた本たちです。

  • 酒井直隆著『ピアニストの手 障害とピアノ奏法』ムジカノーヴァ社、1998年。
  • 酒井直隆『解決!演奏家の手の悩み~ピアノの症例を中心に』ハンナ、2012年。
  • 根本孝一・酒井直隆編著『音楽家と医師のための音楽家医学入門』協同医書出版社、2013年
  • イアン・ウィンスパー他著、酒井直隆・根本孝一監訳『音楽家の手 臨床ガイド』三秀社、2006年。
  • ジャウメ・ロセー・イ・リョベー他編、平孝臣・堀内正浩監修『どうして弾けなくなるの?〈音楽家のジストニア〉の正しい理解のために』音楽之友社、2012年。

メンタルトレーニング

メンタルトレーニング関連の本。

  • カトー・ハヴァシュ著、今井理瑳・藤本都紀訳『「あがり」を克服する ヴァイオリンを楽に弾きこなすために』音楽之友社、2002年。
  • バリー・グリーン他、辻秀一監訳『演奏家のためのこころのレッスン』音楽之友社、2005年
  • ドン・グリーン著、辻秀一監訳『ジュリアードで実践している演奏者の必勝メンタルトレーニング』ヤマハミュージックメディア、2013年。

ジョブズも読んだ禅の思想

禅の思想は、学ぶべきものが沢山あります。

  • オイゲン・ヘリゲル著、柴田治三郎訳『日本の弓術』岩波文庫、1982年。
  • 小池龍之介『もう怒らない』幻冬舎、2009年。
  • アルボムッレ・スマンサーラ『現代人のための瞑想法』サンガ新書、2007年。
  • 鈴木俊隆著、松永太郎訳『禅マインド ビギナーズ・マインド』サンガ新書、2012年。
  • 鈴木俊隆著、藤田一照訳『禅マインド ビギナーズ・マインド2』サンガ新書、2015年。

ピアノ弾きのウォーミングアップの効果 

限られた練習時間の中で、演奏会や試験・コンクールの曲を沢山弾きたい気持ちはよ~くわかります。

けれど、

急がば回れ!

です。

4時間練習するなら、30分はウォーミングアップと基礎練習にあてましょう。
2時間練習するなら、20分はウォーミングアップと基礎練習にあてましょう。

ピアノを弾くことは、心と頭と身体のコーディネイト。
単に指だけ動けばいいというものではないことは言うまでもありません。

美しいと感じるフレーズを美しく聴こえるように奏でる、それがテクニックです。

1日30分のウォーミングアップと基礎練習はこんな効果をもたらします。

  • 練習・演奏へのコンディショニング
  • 演奏の基礎力や技術向上
  • 練習効率アップ
  • 故障の予防・疲れの軽減

さらに、ウォーミングアップが日課となれば、本番前のルーティンとしてあがり対策にも優れた効果を発揮します。

日々の練習は、本番の成功を目指したものです。

本番の失敗がどんなにみじめか・・・

私も、消えたくなるほどの自己嫌悪を嫌というほど味わいました。

毎日の練習は、音楽という奇跡を人々と分かち合うためにあります。

本番を成功させるために日々行うことが、練習なのです。

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痛みや故障に悩むことなく一生喜びを持ってピアノを弾くためにウォーミングアップをしよう

プロ野球選手の中でもイチロー選手の練習メニューが凄いことは有名です。その日々のたゆまぬ積み重ねが小柄な日本人ながらアメリカメジャーリーグでの伝説的な活躍を続けることができたのは広く知られるところです。

上達に特効薬も魔法もありません。

練習はピアノを弾く以上宿命です。
この瞬間からコツコツと積み重ねましょう。

練習は、ピアノの前に座って音をかき鳴らせばいいというものではありません。

今日食べたものが明日からの身体を作るように、
今日の練習が明日の自分を作ります。

その日々の積み重ねが、

ひと月後の自分を育て、
3か月後の本番を決し、
来年の自分のステージを上げ、
将来の夢を叶えます。

そして、笑顔でピアノを弾く素敵な70歳、80歳になりたい・・・

練習は大変です。

でも、喜びを失ってはいけません。

弾く人が喜びの中にあるからこそ、
聴く人を幸せにすることができます。

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⇒ ピアノ弾きの演奏向上と故障予防にウォーミングアップのすすめ

Attention!
この記事は、レッスンで行うウォーミングアップメニューについてご紹介するもので、独習を可能にするものではありません。
心身メソッドや運動の心得のない方が(自己流で)形だけを真似て行うことは、効果がないばかりでなく、故障のリスクがあります。
ご興味をお持ちの方はレッスンを受講くださいますようご案内申し上げます。
効果を実感していただくことができますようにわかりやすく丁寧に指導いたします。
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