小さなこだわりより大きな幸せ|ラ・フォル・ジュルネとドミノ・ピザの共通点

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ゴールデンウイークのクラシック音楽イベントとしてすっかり定着したラ・フォル・ジュルネ。

2018年の開催も決まりましたね。

実は・・・

クラオタこと熱心なクラシックコンサートファンの評価は微妙なのです。

日常的にクラシックを聴いている私にとっても、ラ・フォル・ジュルネは演奏会というよりイベントという位置づけです。

でもね・・・

だから、ラ・フォル・ジュルネは成功し、観客動員数を増やし続けているのです。

そのラ・フォル・ジュルネ人気のその秘密を考える時、私は、ドミノ・ピザを思い出します。

ラ・フォル・ジュルネとドミノ・ピザ。

クラシック音楽の演奏会とピザという一見全く無関係なふたつですが、成功の陰にはある秘密があるのです。

こだわりを捨てて、大きな幸せをとる・・・

ビジネスの本質を考えさせられます。


この記事を書いた人
Ina / 伊奈葉子 ヴィジョン・コンサルタント

これは何?なぜ?どうして?・・・答えはどこかにあるはず。だから、本を探す、読む、考える、そして、試す。。。3回読む本しか買わないInaです。ピアノと音楽、季節の移ろいと日々のお茶時間をこよなく愛しています。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら♪


ラ・フォル・ジュルネがクラオタに不評な理由

ラ・フォル・ジュルネは毎年盛況な一方で、実は、日常的にサントリーホールやオペラシティの演奏会に通う人々にとっては、微妙なイベントです。

熱心なクラシックファン、通称クラオタ。

なぜ、ラ・フォル・ジュルネはクラオタにとって微妙なのでしょうか。

音楽は響きが命

クラシック音楽は、表現がとても繊細です。

クラシック専用ホールは、その繊細な表現を会場の人々にあますところなく届けるべくとても精密に計算されて創られています。

クラシック音楽専用ホールには、それぞれ独特の響きがあります。

あそこのホールは金管(楽器)の響きがどうの・・・

とか、

あそこはオケより室内楽・・・

とか、とても詳しい人もいますし、ホールだけではなく、席にもこだわる人も少なくありません。

聴く芸術である音楽をとことん味わい尽そうということで、クラオタの耳と感性は非常に細やかななのです。

クラシックの演奏会では、演奏中の会話やスマホなど電子機器の音がタブーなのはもちろん、プログラムをめくる音にも注意するように開演前にアナウンスが流れます。

ラ・フォル・ジュルネは音楽専用ホールばかりではない

ラ・フォル・ジュルネの会場である国際フォーラムは、いくつものホールがありますが、音楽専用ホールはひとつしかありません。

あとは多目的ホールのステージ上に響板を設置して開催します。

なので音響が微妙なのですね。。。

この響きが微妙~ということが気になる人にとって、ラ・フォル・ジュルネは、いくら世界一流アーティストの演奏会が超リーズナブルに聴けるとしてもあまり魅力的ではありません。

そう、つまり、熱心なクラオタを除外しているのがラ・フォル・ジュルネです。

ラ・フォル・ジュルネは、クラシック音楽に興味あるけれど、普段は演奏会に行かない、敷居が高いし、チケットが高すぎる、それにあのし~んとした緊張感はどうも・・・という人に気軽に来てもらおうとしています。

雑音OK!子供の泣き声OK!のラ・フォル・ジュルネ

クラシック音楽に興味はあっても、演奏会へ出掛けるには二の足を踏む人たちの中には、演奏中の聴衆のマナーを堅苦しく、窮屈に感じる人も少なくありません。

その壁を取り払ったのがラ・フォル・ジュルネです。

0歳からOK!のコンサートもありますし、多くが3歳以上OKです。

ということは、演奏中の色んな雑音もお互いさまでゆるしましょうね、ということ。

ピンと張り詰めたクラシックの演奏会独特の緊張感を排したことで、広く色んな方に足を運んでもらえるイベントにしたのがラ・フォル・ジュルネです。

実際、おじいちゃんとおばあちゃんとパパとママとお子さんと・・・というような親子3世代の来場も多くみられます。

演奏会を聴いて、中庭でお昼を食べて、無料の公開演奏を聴きながらソフトクリームを食べて、楽しい一日だった・・・

そんな家族連れが沢山来場する幸せなイベントがラ・フォル・ジュルネなのです。

あっ、ちなみに演奏するのは世界の一流アーティストですよ。

普段は、チケットが1万円を超えるというアーティストも少なくありません。

そこは譲らないからこそ、ラ・フォル・ジュルネは素晴らしいのです。

美味しいピザを食べたい人を切り捨てたドミノ・ピザ

さて、ドミノ・ピザといえば、自宅に居ながらにして注文してから30分以内に熱々のピザが届いて食べられるのがウリのピザ専門店です。

この30分以内に宅配してくれるというメリットのために、ドミノ・ピザが切り捨てたのが、

「こだわりの美味しいピザを食べたい人」

ファミリーレストランやファストフードと同じレベルのピザが、自宅にいながらにして、注文から30分で食べられるなんて便利!幸せ!という人がターゲットなのですね。

こだわりを捨てることでより多くの人に幸せをもたらす

響きとマナーにこだわるクラオタのニーズに応えないラ・フォル・ジュルネ。

こだわりの美味しいピザを食べたい人に応えないドミノ・ピザ。

このふたつを見る時、こだわりを捨てることの大切さを知ります。

クラシックの演奏会を聴くなら、響きのよいホールで上質の時間と空間でと考えるのは、クラシック関係者のごくふつーの発想。

しかし、実はそこまで繊細な響きにこだわらない潜在的なクラシックファンが沢山いることに目を向け、彼らのニーズに応えることでクラシック音楽イベントとして異例の盛況を誇るラ・フォル・ジュルネ。

超美味しいピザをあきらめ、ふつーに食べられるピザを提供することで、30分以内に自宅に届けるというサービスを実現し、成功したドミノ・ピザ。

小さなこだわりより大きな幸せ。。。

何かにつけ、こだわり過ぎてしまう私には、ラ・フォル・ジュルネとドミノ・ピザの成功例は大切なことを教えてくれる存在です。

ちなみに・・・

ドミノ・ピザはもう何年も食べていませんが、ラ・フォル・ジュルネには毎年出掛けます。

普段の演奏会では見かけない親子連れや老夫婦、カップルたちの笑顔があふれる中、野外ステージの演奏を聴く時、クラシック音楽の魅力と威力をあらためて感じます。

集客という視点で見たラ・フォル・ジュルネ、こちらもどうぞ。

集客するには本能をくすぐろう|ラ・フォル・ジュルネが盛況な7つの理由

音楽視点のラ・フォル・ジュルネの記事もどうぞ。

音楽とは奇跡|ラ・フォル・ジュルネは音楽のテーマパーク

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これは何?なぜ?どうして?・・・答えはどこかにあるはず。だから、本を探す、読む、考える、そして、試す。。。3回読む本しか買わないInaです。ピアノと音楽、季節の移ろいと日々のお茶時間をこよなく愛しています。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら♪