長篠の戦いで家康に献上された塩瀬総本家の本饅頭

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

美味しい緑茶とお饅頭のひとときは、ほっとします。

ところで、お饅頭っていつからあるのかご存知ですか?


この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina

ピアノと音楽、自然とお茶時間をこよなく愛する伊奈葉子です。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら♪


創業660年、室町時代に始まる塩瀬総本家

1349年、後醍醐天皇と対立した足利尊氏が後に室町幕府と呼ばれる幕府を開いてほどなくの頃・・・

宋で修行を終えた龍山徳見禅師と共に日本にやってきた中国人がいました。
彼、林淨因は、奈良に居を構え、お饅頭を作って売り出したのが、日本のお饅頭の始まりとされるのが一説です。

林淨因が立てた塩瀬という店が塩瀬総本家の始まりです。

僧侶と上流階級に大評判だった林淨因のお饅頭

林淨因は、小豆を煮つめ、甘葛の甘味と塩味を加えて餡を作り、これを皮に包んで蒸し上げたお饅頭を作りました。

当時の甘味として画期的だったこのお饅頭は、僧侶と寺院に集う上流階級に大評判となりました。

o0480036013590504462

「日本第一番本饅頭所林氏塩瀬」の看板は、室町幕府8代将軍足利義政より授かったもの、また、「五七の桐」の御紋は、同時代に後土御門天皇からの拝領されたそうです。
塩瀬総本家>>塩瀬の歴史より

家康に献上された本饅頭

o0480036013591327736

大納言入りの小豆あんがごく薄い皮で包まれ、蒸しあげられた本饅頭。

ずっしり重く、ぎっしり詰まっています。
シンプルを極めた潔いまでの素朴さは、時空を超えて歴史のロマンさえ感じます。
砂糖を感じさせない上品な甘さが、深く静かに心を満たす・・・

老舗の味は、理屈では説明できない不思議な力となって伝わってきます。

この本饅頭は、1575年、長篠の合戦で徳川家康に献上され、家康はこの本饅頭を兜に盛って軍神に供え戦勝を祈願したことから、《兜饅頭》と呼ばれるそうです。
塩瀬総本家>>和菓子の紹介より

勝負運が上がりそうなお饅頭です。。。

時代の流れの中で伝統を守り引き継ぐ

幕府や朝廷とつながりの深かった塩瀬総本家は、明治維新以後も、宮内庁御用達として上流階級向けにお菓子を提供していました。

戦後、高度成長期には、結婚式の引き出物として大人気で盛況を極めるも、三十四代当主川島英子氏は、少子化の兆しを感じる頃、生き残るために職人さんたちの反対を押し切って、デパートへの小売りを始めます。

そのおかげで、庶民である私も食すことができるわけです^^

o0480048013590504471 

左上:花見薯蕷饅頭、右上:野遊び。
左下:本饅頭、右下:春かすみ。

北海道十勝平野の真ん中に位置する音更町産の小豆にこだわり、伝統の技で作られた餡。
国産の山芋を毎朝すりおろし上新粉と砂糖を加えて秘伝の技で練り上げた皮。

660年以上変わらず伝統を守り続けるにはどれほどの困難があったことでしょう。

その味には、時代を超えた普遍的な真理と神聖さや崇高ささえ感じます。
本物が愛され続け、未来へ引き継がれることを心から願い、今日もお茶とお菓子のひとときを過ごせることに感謝しました。。。

お饅頭ひとつで人は幸せになれます。

⇒塩瀬総本家公式ホームページ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Follow me!

この記事を書いた人

この記事を書いた人
伊奈葉子 / Yoko Ina
ピアノと音楽、自然とアートとお茶時間をこよなく愛する伊奈葉子です。慶應義塾大学文学部卒業。詳しいプロフィールはこちら