自己啓発書やビジネス書を読んでいると、
あれやれ、これやれ・・・
って色々書いてありますよね。
それ、やってみたことありますか?
やれば良さそうだとわかっていても、スルー。
読み終えた頃には忘れていることの方が多いというのは、私だけ?
・・・ですが、やってみたのです。
200ページ足らずの文庫と10か月付き合うという未知の体験。
そこで発見したこと、起こった変化・・・
それは、とても興味深いものでした。
Contents
売上ってどうしたらあがるのか考えていた時に出会った『世界最強の商人』
この本に出合ったのは今年2017年1月のこと・・・
新春の華やかさが漂いながらも世の中はそろそろ通常モードになった頃、書店をぶらぶらしていて目が留まりました。
なぜ、この本に目が留まったかというと・・・
当時の私は、初めてのビジネスコンサルを引き受けてちょうど半年が過ぎ、順調に成果があがっている流れをさらに加速させたい、飛躍につなげたいと日夜考えていました。
一年の成果はこちら
⇒ 【ビジネスコンサルご感想】前年比3倍超をもたらしたのは「もっとハッピーに!」
そんな私は、帯のこの言葉に興味そそられたのです。
世界中の経営者が愛した奇跡の物語!!
直感的に何かありそうだと思い手にとりました。
10巻の巻物を1巻ずつ30日間1日に3回読めだと~?!
結論から言うと、これはキリスト教的自己啓発本です。。
ネタバレになりますが、キリストの誕生にまつわるエピソードが軸になっています。なので、私のようにキリスト教に親しんでいると(洗礼は受けていませんがアイデンティティは強くキリスト教の影響を受けています)、うまく書いているな~と面白く読めると思います。
そもそも、欧米系の自己啓発書は聖書からの引用が必ずありますからね。
しかし、そこは重要ではありません。
この本の特徴は裏表紙にあるこの巻物なのです。
教えを守ると世界最強の商人になれる―ある善行がきっかけで、少年ハフィッドは師から突然、成功のための秘訣が書かれた10巻の巻物を譲られた。
後半80ページがその10巻の巻物になっていて、その教えに従えば世界最強の商人になれるというのですが・・・
驚くのは、そこで指示された読み方です(本文より引用)。
私はそれぞれの巻物を30日間、ここに規定された方法で読み続ける。そしてそれを終えるまでは、次の巻物に進んではならない。
まず、朝起きたとき、これらの言葉を黙読する。次に昼食をすませたら、もう一度、これらの言葉を黙読する。そして一日の終わり、眠りにつく前にもう一度読む。重要なことは、この3回目には声に出して読むということだ。そして、次の日、私はこのやり方をまた繰り返す。これを30日間続けるのだ。
その後でやっと次の巻物に移り、このやり方をまた30日間続ける。このようにして、それぞれの巻物とともに30日間一緒に生活して、巻物を読むことが習慣になるまで、このやり方を続けるのだ。P.91
3回読む本しか買わない私もこれには驚きました。
食べるように本を読むと自認していて、パウロ・コエーリョ『アルケミスト』なんか1年に5回くらいは読んでいて、今までに50回以上繰り返し読んでいる私でさえも、一日3回読んで、しかも夜は音読しろというのはびっくりです。
そもそも私は子どもの頃から声に出して本を読むことが好きではありません。
だって、声に出して読むとスピードが落ちるじゃないですか。
そんなことできないよ~!!!
と思う一方で、むくむくとふくれる好奇心、
やってみたらどうなるのだろう?
仕事って偉大!責任があるから昨日までの自分を越えられる
たぶん、自分ひとりのことだったらできなかったと今でも思います。
私は、コンサルタントを名乗る以上、成果の出ない仕事を引き受けないと決めています。引き受けた以上は求められる成果を出すのは当然の責任と心得ています。
いつも思うのですが、お客さんやクライアントさんや生徒さん、プライベートのあらゆる出会いってミラクルです。
売上げが上がるというのは、たくさんのミラクルな出会いの積み重ねだと思うのです。
だとしたら、
ミラクルが起きるような自分でなければならない。
”世界中の経営者が愛した奇跡の物語!!”という帯に惹かれ、書いてある通りに読むことにしたのです。
1巻を30日間読む×10巻をやって起きたこと
というわけで、書いてある通りに読んでみました。
10巻でちょうど10か月・・・
それが、今日11/22日です。
その間に多くの発見や変化がありました。
特に興味深いこと3つをご紹介します。
言葉の威力に驚いた~当たり前のことが自分にとって独特の意味と価値を持つ
巻物と言っても、ストーリーの中に登場するもの。
1巻は短く大体7~10ページですから、黙読するならあっという間です。
問題は音読でした。
早口言葉じゃわからないから、自分の耳に聴こえるように読むようになった
前にも書いた通り、子供の頃から音読が嫌いです。
学校の国語の授業で読まされる時があるじゃないですか。あれが大嫌いだったのです。
それを今さら音読なんて、
そんなばかばかしいことできるか~!!
心の中で絶叫しながら、口の中でモゴモゴと超早口にすっとばしておわり~!寝る!と文庫を投げ捨てるように置いてお布団かぶっていたのですが、1週間も続けるうちに変化が起きてきました。
どんな変化かというと・・・
早口でモゴモゴ読んでいると、聴こえてくる自分の声が何を言っているのかわからないのです。あらためて気づいたのですが、自分の声って自分で聴いているのですよね。
だから、
ちゃんと自分の耳に聴こえるように読もうと思えるようになりました。
不思議なことに、あんなにばかばかしい~!!と思っていたのに、心穏やかになり、聴くに耐える読み方が自然にできるようになったのです。
集中して読んでみて、あらためて言葉の威力に驚いた
声に出して読むって意外に面倒なんですよね。だから集中します。
すると、言葉を噛みしめるようになるのです。
それを30日繰り返すうちに、何気ないひと言が「あ~、なるほど~・・・」と心の奥に染みてくるのがわかりました。
毎日、同じものを読んでいても、感じることが違うのです。
この本に書いてあることは、当たり前のことばかりです。でも、それを声に出して毎日読み続けることで、自分にとって独特の意味や価値を持つようになってきました。
言葉の威力って凄いです。
あらためて驚きました。
違いこそ”私”と心底思えるようになった
この10巻の巻物に書かれていることは、目新しいものは何もありません、当たり前のことばかりです。
でも、その当たり前のことができているかというと・・・
できていないから物事が思うようにいかないし、悩みも増えるわけです。
自分の違いを強調しよう
そんな中でも、私にとって一番効いたのがこのフレーズでした。
私はこの大自然最大の奇蹟だ。
そして、
私は今から、自分の違いを強調しよう。
いや~、本音をいうと・・・
子供の頃から変わっていると言われ続けてきたので、人と違うことは何となく自覚しています。
何を言われても気にしないようにしているつもりですが、今ひとつ抜けきれない忸怩たるものを感じていたのも事実です。
今年は、将棋の藤井聡太棋士が連勝記録を更新したことで将棋界の話題で盛り上がりましたよね。
・・・で、思うのは強い人ほど”変な奴”だということ。
あれを見ながら、私ももっと変な奴になった方がいいんじゃないかって思っていたのです。
そんな中で、この言葉は効きました。
他の誰もやっていなくても・・・
「そんなの上手くいくわけないよ!」と言われても・・・
私自身が確信していることはやるべき意味と価値があると迷いなく思えた。
その結果生まれたのがこの3つのサービスです。
心が満ちたりていれば傷つくことはない
”人間の悩みはすべて人間関係の悩みである”とは、岸見一郎『嫌われる勇気』で有名になったアドラーのことばですが、人の言動にいちいち反応しなくなりました。
人間っていい加減
人間っていい加減じゃないですか。
この間はAと言ったのに、昨日はBと言い、今日はCと言う・・・
そういう人、沢山いますよね。
そして、他人だけでなく、自分もしょっちゅう考えが変わります。
人間ってそういういい加減なもの。。。
だから、人の言動でいちいちイライラしていたら、ストレスたまって仕方ないですよね。
・・・で、この本の中には、その処方箋があります。
というか、所詮、この世で起きていることは、すべて過ぎ去っていくもの、過ぎ去るに任せておけばいいということを言っているのですが、それが腑に落ち、身に付きました。
言葉の棘に傷つかない
最近、以前に比べてイライラしなくなったな~と思っていたら、知人に言われました。
何かさ~、ひとり飄々として幸せそうだよね。。。
このことばは、以前より色んな人から言われていました。
・・・で、言われる度になんか複雑な気分だったのです、棘を感じていたんですよね。
無神経な奴って言われているのかな?
とか、
能天気ね~・・・
とかね。
でもね、相手がどういうつもりで言ったのか、本当のところはわからないのです。
相手だってよく考えずに言っているのかもしれません。
だったら、言いたい人には言わせておくしかないし、私が邪推することもない。
何を言われても、私がどう反応するかは私の”自由”です。
・・・で、”ひとり飄々として幸せそうだよね”と言われて、
あっ、そう・・・
と何も気にならなくかった。
実際、私は、飄々としている人が好きですし、飄々としていたいと思っています。
そう見えるということは、自分の目指しているところを実現できているということです。
それに対して、相手が何かしらの感情を抱いて、仮に棘を放ったとしても、私は気にする必要はないということです。
心がふかふかのクッションのようなら棘は痛くも痒くもない
・・・で、その時の文脈からすると、相手は意図的に棘を放っていた可能性が高いのですが(笑)、私は棘を受け取る必要はないし、実際、私に棘は刺さりませんでした。
なぜかって?
風船に針を指したら破裂しますが、ふかふかのクッションに針を刺しても、何も起きませんよね。
針も刺さらないような弾性のあるボールがあったら凹んでもすぐに元に戻るでしょう。
あれに似ています。
つまり、
ふかふかのクッションのように満ちているとか、弾性が十分にあれば、棘に傷つくことはないのです。
何に満ちているかというと、(キリスト教的に言えば)愛であり、御言葉です。
最終巻である10巻の最後7行は、まさにクリスチャンの祈りそのものです。
キリスト教を知っている人には当たり前の常識なのですが、10か月読んできてその言葉に触れると、それ以外にないという必然として受け入れることができるようになります。
う~ん、率直に告白すると敬虔な気持ちになりますね。。。
まとめ|当たり前のことを淡々と続けるのが一番!
ということで、オグ・マンディーノ『世界最強の商人』に書いてある通りに、平均8ページほどの1巻を30日間読む×10巻をやってみました。
今、その10か月間を振り返ってみると、静かに、しかし、確実に変化を遂げたことを実感しています。
この方法の素晴らしいところは、非常に簡単で、痛みを伴わないことです。
昨今、”劇的”な変化が好まれますよね。
でも、急激なダイエットがリバウンドを起こしやすいように、劇的な変化にはリスクがつきもの。
結局バランスのとれた旬の食材をたっぷり使った食事が一番安全で健康によいように、当たり前のことを淡々と続けることが一番なのだと、実感しました。。。
人生を変えるのに、高いセミナーに行く必要はありません。
文庫本1冊と、書いてある通りに10か月付き合えばいいのです。
続編も試してみようと思います。。。